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ブガッティ、テレワークで新型車を開発…新型コロナウイルスで本社や工場は閉鎖中

  • 《photo by Bugatti》
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ブガッティ(Bugatti)は4月14日、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の感染拡大による外出制限の中、テレワークを活用しながら、『シロン』派生モデルの『ディーヴォ』などの新型車の開発を継続していると発表した。

◆世界最高峰の性能を持つシロンと派生車「ディーヴォ」

シロンは『ヴェイロン』の後継車として、2016年春にデビューした。ヴェイロン同様、世界で最もパワフル、最速、最もラグジュアリーかつエクスクルーシブな量産ハイパーカーを目指して、開発された。

ミッドシップに搭載される新開発の8.0リットルW16気筒+4ターボは、2ステージターボ化され、最大出力1500hp/6700rpm、最大トルク163kgm/2000-6000rpmを引き出す。ヴェイロンの最大出力1200hp、最大トルク153kgmに対して、300hp、10kgm強化された。トランスミッションは7速デュアルクラッチ「DSG」で、駆動方式は4WDだ。シロンは、0~100km/h加速2.5秒、最高速420km/h(リミッター作動時)という世界最高峰の性能を実現する。

また、シロン派生モデルのディーヴォは、1920年代後半、ブガッティを駆り「タルガ・フローリオ」で2度優勝したフランス人レーシングドライバー、アルバート・ディーヴォ氏に敬意を表したネーミングだ。ブガッティシロンをベースに開発。シロンのパフォーマンスをさらに引き上げた超高性能モデルで、世界限定40台を生産する計画だ。価格については、およそ500万ユーロ(約5億8700万円)と公表されている。

◆エンジニアは自宅で各種計算やシミュレーションを実施

新型コロナウイルスの影響によりフランス本社や工場を閉鎖しており、シロンなどの生産も停止している。多くの従業員が、在宅勤務に切り替えた。そんな中、ブガッティの開発部門のエンジニアも、テレワークを活用しながら、ハイパースポーツカーの開発テストを続けている。

公道での走行テストを除けば、最新の高度なデジタル作業プロセスのおかげで、エンジニアは自宅で各種計算やシミュレーションが行える。「Skype」を利用した電話会議も取り入れている。

やむを得ず出社する従業員は、他の従業員と充分な距離「ソーシャル・ディスタンス」を取っている。しかし、開発テストで2シーターのブガッティに2名が乗車するのは、感染のリスクがあるため、現在は一人で走行テストを行っている。

◆走行テストはドライバー1名体制に変更

例えばテストコースでは、ドライバーが車両を停止させてからコンピュータを操作するため、テストに要する時間が最大で3割長くなっているという。エンジニアは現在、労働安全基準に従うため、3台の車両を交互に乗り換え、最大7時間乗車するシフトで作業している。

また、電話会議で話し合うテーマは多いが、複雑な要件の場合、車内で直接顔を合わせてコミュニケーションを取る方が効率的だ。通常、最終のテストドライブは2名で行うが、現時点では一人で運転している。

ブガッティは通常、高速道路や公道で車両をテストしている。しかし、現在では安全上の理由から、ホテルに1泊することはできないため、ドイツ・ニュルブルクリンクなどでの開発テストは、日帰りで行っている。これは、ブガッティの本拠地であるフランスや南イタリアでの公道テストも同様だ。

ブガッティは、公道テストを重要と位置付けており、新型コロナウイルスによる外出規制が解除された場合、すぐに南ヨーロッパで公道テストを再開する予定だ。現在、エンジニアは長期出張が禁止されている。エンジニアの中には、自ら所有する旧車のポルシェ『911カレラ』をメンテナンスしたり、夕方にオンラインで集まり、レーシングシミュレーターゲームで対戦したりする者がいるという。