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マクラーレン、815馬力の『エルバ』にワンオフ…1960年代の栄光のレーサーに敬意
マクラーレンオートモーティブ (McLaren Automotive)は、新型スーパーカーの『エルバ』(McLaren Elva)のワンオフモデル、「M6A テーマ by MSO」を欧州で発表した。
エルバは、マクラーレンの最上級クラスの「アルティメットシリーズ」のニューモデルだ。2シーターのオープンコックピットを備えたロードスターになる。生産台数は399台限定となり、販売は2020年後半からを予定している。
◆フロントウインドスクリーンのないフルオープンボディ
エルバは、フルオープンコックピットのスーパーカーだ。専用のカーボンファイバー製シャシーとボディを備えた2シーター車で、ルーフ、フロントウインドスクリーン、サイドウィンドウは未装備とした。これは、公道とサーキットの両方で、比類のない運転の喜びを提供するための選択という。
低いフロントノーズと盛り上がったフロントフェンダーは、前方の視界を確保する。大型のカーボンファイバー製リアフェンダーは、ドアからリアデッキに向かって流れる。格納式ロールオーバープロテクションシステムを採用することにより、リアのツインバットレスの高さを最小限に抑えている。
乗員は必要なら、ヘルメットを着用することもできる。しかし、キャビン上部のデザインを工夫することにより、ドライバーと乗員を包み込むような安全性を追求している。フロントウィンドウは、メーカーオプションで装着できる。
◆当時のオレンジのボディカラーをMSOが再現
このエルバを、ビスポーク部門のMSOがカスタマイズし、ワンオフモデルのM6A テーマ by MSOが発表された。MSOでは、ウルトラファブリックやレザーのインテリアカラーの選択や、ほぼ無制限に選べるエクステリアの塗装色、ホイールのデリケートなピンストライプやボディ全体で複数のカラーをブレンドさせる「contour」や「velocity」フィニッシュなど、ほぼどのような選択も可能になっている。いずれのカラーも、豊富な経験を持つMSOの職人によって、ひとつひとつ手作業で塗装される。
また、顧客はカーボンファイバー複合素材の緻密に配置された綾織り模様を露出するグロス・ビジュアル・ファイバー・ボディも選択できる。このオプションでは、多様な淡い色合いで外観をさらに引き立てることが可能だ。MSOは、エクステリアやインテリアのカーボンファイバー向けに、ビスポークの色合いを開発することもできる。
エルバのM6A テーマ by MSOは、マクラーレンを創業したブルース・マクラーレン氏が設計したレーシングカー、「M6A」に敬意を表して、MSOが開発したワンオフモデルだ。M6Aは、カナディアン-アメリカン(カンナム)チャレンジカップを、1967年に制した。その後、1971年まで5年連続で、カンナムチャレンジカップで優勝した栄光のレーシングカーだ。
エルバのM6A テーマ by MSO では、当時のM6Aがまとっていたオレンジ色のボディカラーを再現した。このオレンジは、アニバーサリーオレンジと呼ばれる。ブレーキキャリパーやインテリアの一部も、オレンジで仕上げた。バケットシートには、ホワイトのレザーを使用している。
◆4.0リットルV8ツインターボで0~100km/h加速3秒以下
ミッドシップには、4.0リットルV型8気筒ガソリンツインターボエンジンを搭載する。このエンジンは『セナ』用がベースだ。ただし、最大出力は800psから815psへ、15ps強化された。最大トルクは81.6kgmで変わっていない。トランスミッションは、7速デュアルクラッチを組み合わせた。
また、「M1A」と呼ばれるカーボンファイバー製シャシーは、551kgと非常に軽量とした。この効果で、動力性能は、0~100km/h加速3秒以下、0~200km/h加速は6.7秒と、世界屈指の性能を可能にしている。
◆世界初の新開発アクティブエアロ
エルバには、世界初のアクティブエアマネジメントシステム「AAMS」が採用された。このシステムでは、フロントノーズから取り入れられた空気が、乗員の前方のクラムシェルから出て、コックピットの上に誘導されて、後方に流れる。上下するカーボンファイバー製デフレクターも備えている。AAMSが作動している場合、デフレクターはボンネットアウトレットの端で150mm上昇して、低圧ゾーンを生み出す。
リアには、アクティブリアスポイラーを装備した。高さと角度が調整でき、空力バランスが最適化される。エアブレーキ機能は、高速走行からのブレーキングに貢献する。ディフューザーは、アクティブリアスポイラーと連動する。床下は、完全に平らな設計とした。ディフューザーには、排気管を狭めることなく気流を導く垂直のフェンスを備えている。リアバンパーサイドエクステンションと組み合わされて、空力効率をさらに向上させるという。