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ソニーの映像技術を自動運転車に活用、「人の眼超える」認識…名古屋オートモーティブワールド2018

  • 《撮影 宮崎壮人》
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ソニーは5日に開幕した「名古屋オートモーティブワールド」で、同社のイメージセンサーを活用した自動運転向けソリューションをアピール。「人の眼を超える」と掲げ、自動運転に必要な高感度CMOSイメージセンサーのデモンストレーションをおこなった。

ソニーはイメージセンサービジネスにおいて車載向けを注力領域とし、様々な商品をリリースしている。2018年1月のCESでは、同社が目指す安全性能を「Safety Cocoon(セーフティコクーン)」と名付け、進化した「車の眼」による早期の危険察知、回避による安全領域の確保、そして自動運転社会の早期実現に貢献すると発表していた。

ソニーのイメージセンサーの特徴として大きく掲げるのは、「高温でも見える」「月明かりでも見える」「逆光でも見える」「遠くからでも見える」の4つ。これらの要件を備えることで「人の眼を超え」たセンシングを実現するという。

今回、オートモーティブワールドの展示で最も目を引いたのが、ブースの中に街並みを再現したライブパフォーマンス展示だ。ここでは2017年5月よりサンプル出荷を開始したイメージセンサー『IMX390』のメリットを紹介していた。IMX390は、LED標識や信号機などの撮影時に起こるLEDのちらつきを抑える機能と、120dBの広いダイナミックレンジでの撮影を実現するHDR機能を搭載、それらの同時利用を可能としている。

LEDは肉眼で見ると常に点灯しているように見えるが、写真や動画で撮影すると点灯していなかったり点滅しているように見えたり(フリッカー現象という)する。これはLEDが一定の周波数で高速点滅をおこなっているためで、シャッタースピードやカメラ側の周波数と異なる場合にちらつきが起こるとされている。街中で見かけることが多くなったLED信号機も同様で、さらに信号が変わる際には一瞬すべての信号が消えて見える瞬間があるのだという。信号の色を認識する自動運転車の実現に向けては大きな課題だ。

これを解決したのがIMX390で、ライブパフォーマンスでは従来型との比較もおこなうことができた。従来型のIMX290から取り込まれた映像では信号や看板の光がちらついているのに対し、IMX390の映像では肉眼で見るのと同じように認識していた。さらに次世代の広角・高解像度に対応したプロトタイプの映像も見ることができた。ここまでくると、もはや肉眼で見るよりもくっきりと見ることができるように感じる。

また、このIMX390はトンネルの出入り口などでの明暗差が大きい環境でも、白飛びのしない映像を撮影することができ、また暗所での認識能力も極めて高い。これもまさに人の眼を超えていることが実感できる。

ブースではこのほか、『ISX019』を活用した3D合成映像による全周囲立体モニタシステム「OMNIVIEW」も紹介。街の模型に置かれたFJクルーザーに取り付けられた4つのカメラで撮影された映像をリアルタイムに合成し、360度自由に視点を変えることが可能な3D映像を作り上げる。従来のいわゆるアラウンドモニターでは車の真上からの擬似映像しか見ることができないが、3Dならばよりリアルに周囲を確認することができる。左折時の巻き込み防止や、重機での作業などに活用できそうだ。

これらはまだ市販車への実装はされていないというが、すでにメーカーへのサンプル出荷はおこなっており開発が進められているという。ソニーの映像技術を活かした次世代車の登場が楽しみになる展示だった。