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スズキ ジムニー/ジムニーシエラ 新型チーフエンジニア「基本構造は継承しつつ、一段とレベルを高めた」

  • 《撮影 小松哲也》
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スズキは7月5日、四輪駆動車『ジムニー』シリーズを20年ぶりに全面改良し発売した。米澤宏之チーフエンジニアは「開発にあたってまず初めに取り組んだことはジムニーとして継承すべきところ、進化させるべきところを明確にすることだった」と明かす。

このため「日々ジムニーを使用し、さらに性能をフルに使われていると考えられる方々になぜジムニーを選んだかを調査」したところ、「我々が長年にわたり大切にしてきたジムニーの基本構造を継承するとともに一段とレベルを高めること。ジムニーの性能をフルに活用できるその道のプロをターゲットにした本格的な性能を持ちながらも、幅広いお客様にも満足頂ける装備、快適性も備ええた新しいジムニーに進化させる」ことを目指したと米澤チーフエンジニアは語る。

新型ではラダーフレーム、エンジン縦置きFRレイアウト、副変速機付きパートタイム4WDシステム、3リンクリジットアクスル式サスペンションといたジムニー伝統の車体構成を継承しつつ、進化もさせている。

ラダーフレームは新設計でエックスメンバーとおよび前後にクロスメンバーを新たに加えることでねじり剛性を1.5倍向上、ボディマウントゴムも新設計し乗り心地と操縦安定性を改善している。

このほか「今回は先進の安全装備や電子制御など、いままでになかったものを取り入れている」という。このうち安全装備は衝突被害軽減ブレーキ、誤発進抑制機能、車線逸脱警報機能などのスズキセーフティサポートを最上級グレードに標準装備、その他グレードでもメーカーオプションで設定されている。

また電子制御のブレーキLSDトラクションコントロールの標準装備により、走破性も大きく向上させている。ぬかるみなどで空転した車輪にだけブレーキをかけることで、もう片方の車輪の駆動力を確保し脱出性能を高める仕組みになっている。

今回の改良で小型四輪駆動モデルの『ジムニーシエラ』のエンジンが1.3リットルから1.5リットルにアップされた。米澤チーフエンジニアは「燃費と排ガス規制、動力性能への対応。なかでも法規面ではヨーロッパがWLTCという試験モードに変わり最高時速が135kmまで上がったことも影響している」と背景を語った。

ちなみにシエラに搭載されるK15B型エンジンは、4月にインドネシアで発表された小型MPV『エルティガ』のエンジンがベースになっており、「エルティガはFFベースでの搭載だが、シエラはそのFRバージョンになる」とのことだ。