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自動運転スクールバス、公道を使って実証実験開始へ 埼工大が私大初

  • 《画像:埼玉工業大学》

埼玉工業大学は、私立大学初となる、公道を使ったスクールバス自動運転の実証実験を12月23日より開始する。

埼工大は、今年4月に設立した自動運転技術開発センターが「埼玉県スマートモビリティ実証補助金」の採択を受け、ミクニライフ&オートの協力により産官学連携で自動運転バス開発を進めている。

マイクロバスの日野『リエッセII』(24人乗り/4.0リットル・ディーゼル)をベースとした実験車両は、自動運転ソフトウェア「Autoware」を利用し、AIによる障害物の検知機能を強化。LiDARやカメラの画像情報をディープラーニング(深層学習)により認識し、障害物を回避して走行できる。埼工大は今年8月に実験車両を初公開し、その後、県内数か所などの公道で実証実験を重ね、自動運転バスの実用化に向けた開発を進めてきた。

今回の実証実験では、埼玉工大のキャンパスと最寄り駅のJR高崎線岡部駅間のスクールバスとして、公道約1.6kmを走行する。安全確保のためにバスドライバーが搭乗するが、ハンドルとアクセル・ブレーキはAIにより自動制御。自動運転「レベル3」により、法定速度(40km/h)で走行する。また、車内にはディスプレイを設置し、LiDARやカメラの画像データをディープラーニングでリアルタイムに解析した結果や、AIによる自動制御の仕組みがわかるよう、各種情報を表示。学生は通学時にAIを体験的に学習することもできる。

埼工大では当面、既存のスクールバスに加えて臨時便として不定期に走行する予定で、来年度以降の本格運行に向けての課題を探る。