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信号を予測しダイヤどおり走る自律走行バス、手動コントローラーは意外な…CEATEC 2019
幕張メッセで10月15~18日に開催される CEATEC 2019では、CEATEC 20周年特別企画として、ソフトバンクグループ SBドライブの、ハンドルがない自律走行バス『NAVYA ARMA』(ナビヤ・アルマ)の体験試乗会を実施。ジョイスティックコントローラーが添わるバスの乗り心地を確認できる。
NAVYA ARMAは、33kwhのバッテリーを搭載し9時間走行できる電気自動車。ボディは前後の区別がない線対称デザインでポリエステル製、車両総重量は約3.5トン。ナンバーも取得している。
前後線対称モデルであることから、操舵輪は2×2。駆動は2駆。車内は11座席、15人まで乗れる。今回の体験試乗での乗車人員は8人。
◆8基のLiDARで障害物を検知
このナビヤ・アルマに載るLiDARは、ルーフ部に前後1基ずつ(2基)、バンパー部に2基ずつ(4基)、左右に1基ずつ(2基)の合計8基。ルーフ部2基のLiDARが3Dで周辺360度を、それ以外の6基が2Dで地上24cmの180度範囲の障害物を検知する。
この体験試乗の前に、LiDARを使ってマッピングし、3D点群データから基準マップを生成。ナビヤ・アルマはこの基準マップと走行しながら生成するマップを重ね合わせることで現在地を推定しながら走る。
また、通常の位置情報GPSに加え、RTK(リアルタイム・キネマティック)GPS補正信号で、位置情報を補正。数センチ単位で自己位置を推定。あわせて車両センサー(オドメーター)で走行状況を測定しながら速度18km/hでゆっくり走っていく。
◆信号と連携し、遠隔地から指示でダイヤどおりに走る
今回の体験試乗は、幕張メッセホール9-11前 1階南広場ロータリーを出発し、ワールドビジネスガーデン、JR京葉線沿いをぐるっと反時計回りに走るコース。ナビヤ アルマは、合計7つある信号の表示する色を予測することで、急ブレーキをできるだけかけずに走り、約1.5kmを18km/hで15分かけて行く。
また、SBドライブが開発中の自律走行車両運行プラットフォーム ディスパッチャー(Dispatcher)を使用し、遠隔地から運行ダイヤにもとづく走行を車両に指示。今回のような ナビヤ・アルマ が信号と連携し遠隔地から指示を受けて走行するというケースは、日本初という。
◆ゲーム用コントローラーで手動操作
ナビヤ・アルマは、ハンドルがない自律走行バスということで、車内には手動オペレーション用のスティックコントローラーが座席付近にちょこんと載る。よくみると、このコントローラーは十字キーとスティックがついたマイクロソフト Xbox のもの。緊急時などはこのXboxコントローラーに切り替えてスタッフが手動で運転する。
CEATEC 2019開催前日の10月14日、このナビヤ アルマを報道に公開したさい、「出発地のロータリーから公道へと出て、信号表示を予測しながら走ってみたところ、ほぼ手動切替コントローラーに触れることなく戻ってこれた。マッピングどおり、設定時刻どおりに走れることを確認した」とスタッフは話していた。
ナビヤ・アルマの体験試乗会は、10時30分、11時00分、12時00分、14時15分、14時45分、15時45分の各日6回出発。整理券配布は10時、11時半、14時の3回。
787の企業・団体が出展することしの CEATEC 2019は、こうした試乗会をはじめ、史上初の4日間連続基調講演開催や、初の学生交流ラウンジなどを設定し、16万人の来場者数を見込む。