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EV購入意向、4分の1が「あり」…障壁は価格 デロイトトーマツ
デロイトトーマツグループは2日、CASEに関する消費者意識調査やサイバーセキュリティなど、自動車産業に関する記者説明会を都内にて開催した。
◆次世代自動車(CASE)に対する消費者意識調査
まず最初に、デロイトトーマツコンサルティング 自動車セクター アソシエイトディレクターの濱田悠(はまだゆう)氏から、次世代自動車(CASE)に対する消費者意識調査の結果が報告された。この調査は、今年8月にインターネット調査によって実施されたもので、サンプル数は2075件。
ひとつめのテーマはEVについて。EVの認知度は70%を超えるほど高く、EV購入意向も年々高まる傾向にある。また回答者の1/4が購入に前向きという結果が出た。
いっぽうでEVの購入障壁については、価格の高さが最大のネガティブ要因であり、走行距離の短さや充電インフラの少なさ、自宅の充電環境などといった項目を引き離している。
ふたつめのテーマは自動運転について。公道走行や自身の利用に対して、受容度はまだ4割程度だが、日産の「プロパイロット」などの製品をはじめとして浸透してきていると言及した。
また自動運転機能への追加コストについては、4割が追加費用なし、2割が10万円以内と回答するなど、実際のコストと乖離しており「期待値とコストのギャップをどう埋めていくか、自動運転の価値をどう訴求するかが課題になってくる」とした。
みっつめのテーマはコネクテッドサービスについて。現時点での利用者は、無料サービス・有料サービス含めて13%しかなく、普及はまだまだこれからという実態がわかった。また46%の人が有料サービスは利用しないと回答しており、また有料の場合でも月額1000円以内と回答した人が34%となり、許容度が低いことが分かった。
いっぽうで、鍵の閉じこみの開錠や盗難時の追跡機能、故障時のオペレーター対応機能には比較的支払い意向が高いという結果が出た。
◆コネクテッドカーのサイバーセキュリティ
続くセッションでは、デロイトトーマツグループ ディレクターの林浩史氏から、コネクテッドカーのサイバーセキュリティについて解説があった。
コネクテッドカーへの攻撃について、車両の開錠や遠隔操作、盗難警報の無効化、車両の位置情報の窃取など多様化しており、また侵入経路はTCU(テレマティクス制御ユニット)だけでなく、充電ポートやダイアグポートなども報告されている。
その対策としては、車載組み込み型のIDPS(侵入検知および侵入防止システム)やFleet SIEMが挙げられた。IDPSとは、エンジンやブレーキなどをつかさどる基本制御系ECUのゲートウェイとして機能し、サイバー攻撃を防御・検知するもの。
またFleet SIEMとは、車両で集められたログデータを集め、クラウドで分析しフィードバックするもので、車両単体データだけでなく、どのようなインシデントがあるか、相関分析を車両内とクラウドのハイブリッドで行うものだ。