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【ポルシェ タイカン】911のデザインDNA引き継ぎながらもEV特性を重視…デビューの場で開発者に聞いた

  • 《画像 ポルシェ》
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去る9月4日、ついにワールドプレミアされたポルシェ初の市販電気自動車『タイカン』。世界三大陸同時発表という手の込んだイベントとしても話題となった。ヨーロッパ、北米大陸、そしてアジアで、ほぼ同時刻に行われたのだ。

我々日本のジャーナリストはアジア組みとして中国福建省の小さな島に集められた。そしてそこでタイカンに初遭遇したのだが、その際開発スタッフにインタビューできたので、内容を少しまとめてお伝えしよう。インタビューに答えてくれたのは、Gernot Doellner氏(商品担当副社長)とMichael Steiner氏(調査開発部門の役員)である。

◆ポルシェ初のEVはきちんとしたスポーツカーであるべき

二人の話を総合すると、タイカンのプロジェクトはおよそ9年前にスタートした。『918スパイダーコンセプト』から始まり、『919ハイブリッド』を経てEVはスポーツカーに合っていると確信した。と同時に、ポルシェにとっての最初のEVはSUVであってはならず、きちんとしたスポーツカーであるべきだと社内で一致したそうだ。

デザインは『911』の流れを汲むDNAを用いた。ただ、エアロインテークなどはEVの特性を優先する。EVは温度調節が要。バッテリーの冷却と加熱は内燃機関より複雑となる。プラットフォームはタイカン専用で、今後クロスオーバーとなる背の高いクロスツーリスモなどにも使う予定だ。また、グループ内ではアウディも使う。が、デザインはもとより、ハンドリング、アクセルフィール、ブレーキといった部分で細かくポルシェの味を出して行く。

その意味でもアクセルを戻してクルマを停止させるワンペダルは考えていない。その事自体がポルシェらしくないし、ペダルフィーリングも「らしさ」を再現できないからだ。「我々が物事を考える時、レーシングドライバー目線というのがある。それはひとつひとつの操作にしっかりと意味を持たせたものだ」と話す。

◆公開前から3万1000台のオーダー

タイカンのマーケットはまさに世界で、アメリカ、中国、そしてドイツやノルウェーを中心としたヨーロッパと目している。年齢は問わず、新しいものに好奇心を抱く層に響くと考えている。オーダーはクルマを見せる前にも関わらずすでに3万1000台を受け付けた。今後の課題は生産台数の拡大であろう。

また、今後の商品戦略に関しては、”内燃パワー”、“PHEV”、“ピュアEV”はすべて並行して行うことが決まっている。マーケット的に多少リンクする事はあっても、作り手としては明確に分けるということだ。よって、911の電動化はまだ考えておらず、何も始まってはない。

というのが、今回のインタビューで耳にした情報。次はタイカンの市場導入後にその続きを聞きたいと思った。ポルシェの描くEV戦略、はたして青図通りに事は運ぶのだろうか。タイカンの動向から目が離せない。