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ドイツZF、PHVと「ロボシャトル」を発表…フランクフルトモーターショー2019
フランクフルトモーターショー(IAA 2019)が、ドイツのフランクフルトで始まった。東京も含め、先進国におけるモーターショーの勢いが弱まっている印象を受ける昨今。フランクフルトでも、記者会見を行う日本の自動車ブランドはホンダのみと、少々寂しい印象を受ける。
一方、2年に一度の母国開催とあって、ドイツ企業は完成車メーカー、サプライヤーとも気合が入っている。近年、積極的なM&Aを繰り返して売り上げ規模ではボッシュやデンソーに次ぐ勢力に成長したZFが、プレスデイ初日の午前中にプレスブリーフィングを行った。
壇上に立ったウォルフ-へニング・シャイダーCEOは、「誰もが手に入れることのできる、クリーンで安全なモビリティ実現のための技術」を開発することの重要性を強調した。その一例として挙げたのが、『EVplus』コンセプトカーである。
BMW『3シリーズ』(旧型)にZFのプラグインハイブリッドシステムを搭載したこの車両は、1回の充電で100kmを超える電動走行を実現している。ドイツで行われた調査によると、通勤など日々の生活に使用されるクルマの90%近くが一日に走行するのは100km未満だそうだ。したがって、週末や休暇に遠出する場合を除き、日常生活においては完全電動走行が可能になる。充電量が足りなくなった場合には搭載されているエンジンでの走行が可能なため、「電欠」によるトラブルの心配はなく、ZFの主張する「現実的なソリューション」であると言えるだろう。
将来に向けた技術としては、専用レーン内を自律走行する電動車両の開発が進んでおり、ZFが「ロボシャトル(=自動運転の小型シャトルバス)」と呼ぶコンセプトが、2021年までにベルギーのブリュッセル空港内で実用化される計画も明らかにされた。
ZFでは、自動運転が専用レーン内を走行するタクシーやシャトルバスで先行して普及していくと考えており、これからの5年で150万台レベルの市場に成長すると試算している。将来的には、こうした「ロボタクシー(=無人配車サービス)」やシャトルバスが一般道にも導入される事で、街中を走行する車両の数が減り、交通渋滞や大気汚染、事故などの減少にもつながると考えられる。
これまではクルマの効率化、自動化および電動化をサポートする製品ラインナップの幅広さをアピールすることの多かったZF。今回のフランクフルトでは、実現可能なソリューションから中長期的な技術的ロードマップまで、戦略とそれに基づいた具体的な製品・技術の紹介に力を入れている印象が残った。