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BMW X5 新型に防弾装甲仕様車、「プロテクションVR6」…欧州で発表

  • 《photo by BMW》
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BMWは8月27日、新型『X5』(BMW X5)をベースにした防弾装甲仕様車、「プロテクションVR6」を欧州で発表した。

BMWはおよそ40年に渡って、防弾装甲仕様車を開発してきた経験がある。そのノウハウを投入したのが、新型X5ベースの防弾装甲仕様車、プロテクションVR6だ。BMWによると、開発段階で車体の接合部などの潜在的な弱点を特定し、効果的な保護対策を施しているという。

◆フロントガラスの厚さは33mm

防弾ガラスなどの部品は、専用に開発された。車両重量の増加に対応して、サスペンションやブレーキには専用のチューニングが施される。しかし、デザインの面で、新型X5の通常の市販モデルと大きな違いはない。テロリストなどの標的にならないためには、目立たないことが重要になる。

インテリアは、銃器や爆発物による攻撃に対する非常に高いレベルの保護を乗員に提供する。高強度鋼で作られた成形部品を、ドア、サイドフレーム、ルーフなどに使用した。さらに、アルミ製のアンダーボディシールド、ラゲッジコンパートメントのパーティション、セキュリティグレージングを標準装備した。

厚さ33mmのフロントガラスをはじめ、ドアやラゲッジコンパートメントパーティションが、兵器による攻撃に耐える。内部にポリカーボネート層を採用し、装甲性能を高めた。ドアの隙間や車体の接合部、ボディパネルとガラスの間などはしっかりと密封された。

◆15kgのTNT爆弾の爆発に耐える

アムールメッキのボディワークと防弾ガラスの組み合は、自動小銃の「AK-47」による攻撃から乗員を保護するという。またキャビンは、4mの至近距離での15kgのTNT爆弾の爆発に耐える性能を持たせた。爆発後も、すべての窓はしっかりと固定されているため、窓ガラスと本体の間に隙間が生じることはない。アーマーメッキの床は、タイプ「DM51」の手りゅう弾に対する保護性能を発揮するという。

セルフシール燃料タンクを標準装備した。特殊な被覆により、燃料の流出を防ぎ、攻撃を受けた後、燃料タンクは自動的に閉じられる。タイヤは、サイドウォールが強化されたランフラットが標準だ。タイヤの空気圧が完全に失われた後でも、走行を続けることができる。

インターホンと攻撃アラームシステムも搭載された。インターホンは、ドアや窓を開けることなく、外部と連絡が取れる。そのため、ドアミラー一体型マイク、外部スピーカー、ルーフライナーのハンズフリーマイクなどが装備された。攻撃アラームシステムは、ボタンを押すとドアが自動的にロックされ、運転席側と助手席側の窓が閉められる。そして、アラームが作動する。

◆530hpツインターボ搭載

直噴4.4リットルV型8気筒ガソリンツインターボエンジンは、最大出力530hp/5500~6000rpm、最大トルク76.5kgm/1800~4600rpmを獲得する。トランスミッションは8速「ステップトロニック」を標準装備する。4WDの「xDrive」システムは、路面状況に応じて、前輪と後輪の間で駆動トルクを素早く正確に配分する。動力性能は0~100km/h加速5.9秒、最高速は210km/hでリミッターが作動する。

なお、新型BMW X5のプロテクションVR6は、国際的な防弾装甲規格の「VPAM」の公式テスト基準に従って、レジスタンスクラス「VR6」の要件を満たす、としている。