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【マツダ2 改良新型】骨盤を立たせて支持…フロントシートの進化をひも解く
7月18日に発表されて予約受注を開始、9月12日からの販売が予定されている『デミオ』改め『マツダ2』。車名変更にともない大幅改良を受け、その変更項目は『マツダ6』にも似た雰囲気となったフロントマスクをはじめとするデザインのみならずメカニズムにも及んでいる。
たとえばヘッドライトはLEDユニットを20分割した構造とすることで、アダプティブヘッドライトの機能を向上させている。また追従型のクルーズコントロール(MRCC=マツダ・レーダー・クルーズ・コントロール)は低速域でも作動する「全車即追従機能付」へとバージョンアップされているのだ。車線の中央を走るようにハンドル操作をサポートするレーンキープアシストシステムも新たに設定され、運転補助機能に関しては刷新されたと考えていいだろう。
さらにシートやサスペンションはマツダの最新世代である『マツダ3』と同じ「SKYACTIV-VEHICLE ARCHITECTURE」の考え方を盛り込んだ味付けを採用。プレスリリースによるとサスペンションは「滑らかな車の動きと快適な乗り心地を実現」し、さらには「G-ベクタリングコントロール」もマツダ3や『CX-5』&『CX-8』などに搭載されている「G-ベクタリングコントロールプラス」へとアップグレードされている。
ところで、興味深いのはフロントシートの進化だ。マツダの資料は「クルマとの一体感が高まり、運転のしやすさを実現する、頭がぶれない新構造のフロントシート」というが、見た目は大きく変わっているようには見えない。果たして、どこが変わったというのだろうか?
マツダのシート開発エンジニアである元吉奈緒子氏に尋ねてみたところ、「基本骨格は従来から大きく変わっていない。しかし、骨盤をしっかり立たせて保持することを重視した」という。
「骨盤を立たせるためのサポートを背もたれに追加したほか、座面後方に骨盤を抑えるプレートを、座面前部では着座位置が前にズレないようにサポートを強化しています」(元吉氏)。
座面前部のサポート強化は、ワイヤーの追加や座面構造のバネ同士をつないで強固にする、などの対策が取られている。
ちなみに「Lパッケージ」には標準、「Sパッケージ」にはオプションとして6ウェイの電動調整機能が運転席に用意されていて、このクラスでは珍しいメモリー機能付きだ。
マツダは運転姿勢にこだわり、ドライバーの身体に対してフットレストとアクセルペダルが左右対称となる位置とし、このクラスでは珍しい支点を下とした通称「オルガン式」のアクセルペダルを採用。今回のシートの改良により、マツダの運転環境に対するこだわりはますます深化したといえる。