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ZMP、ADAS開発向けに「RDP=ロボ・データ・プラットフォーム」を開発…今秋よりベータ版を無償提供

自動運転ベンチャー企業のZMPは7月20日、走行データ取得ソリューション「RoboTest」の新サービスとして、新たなデータ解析や後処理を効率化して提供する「ロボ・データ・プラットフォーム(RDP)」を開発。今秋よりベータ版を無償で提供すると発表した。

このプラットフォームは、ZMPがこれまで提供してきた「RoboTest」の新メニューとして開発されたもので、収集したデータや顧客の保有データへのタグ付け・分析や解析作業を総合的にサポートする。同社が主催した「ZMPフォーラム2018」において発表された。

発表記者会見で登壇したのはZMPプラットフォーム事業部長の龍健太郎氏。

龍氏はまず「RoboTest」が提供して来たサービス内容を解説。「ADAS機能の公道テストを行うためには様々な準備が必要であり、準備が整っても思わぬトラブルに見舞われるなど想定外のことが発生する。その上、収集ができてもそれをデータ化して使いやすいようにタグ付けする作業はかなり困難な作業となる。その大変さから解放するためにRoboTestのサービスは生まれた」と、RDPを開発するに至った経緯を説明した。

そんな中で開発されたRDPについて龍氏は、「取ったデータから何らかの価値を生み出すことが目標であり、これまでもそれをどう活かすか多くの相談を受けてきた。そこで、取得したデータをもっと簡単に分析できるプラットフォームとして誕生したのがRDP」(龍氏)というわけだ。特に、「ADAS開発では様々なセンサーから取得した膨大なデータを、効率よく解析や分析を行うツールが求められている現状があり、RDPを活用することで大幅な効率化が図れる」(龍氏)メリットがあるという。

具体的にRDPの果たす役割は以下のようなものになる。

RDPは、映像や車両操作データ、GPS、IMU(慣性計測装置)などを同時に表示する「ビジュアライズアプリ」、車両の操作状態から自動で直進・右左折などのシーン分けを行う「自動シーン分けアプリ」、さらに映像へ自動でラベル付けなどのアノテーションをする「自動アノテーションアプリ」などから成り、取得したデータを効果的に活用するためのアプリ群を提供する。もちろん、ユーザー自身が求めるアプリとしてカスタマイズして提供することも可能だ。

そして、ユーザーはこれらの基本アプリケーションに加え、RDP上で提供されるAPIを利用して、独自の分析アルゴリズムを実装したアプリケーションを登録。ZMPが提供する基本アプリケーションとユーザアプリケーションとを組み合わせ、アプリケーション間で処理後のデータを受け渡していくことができる。これにより、ユーザーは、目的に応じて保有するデータを効率的に処理・分析するツールとして利用することが可能になるのだ。

最も分かりやすく言えば、「RoboTest」はデータを鉱山から採掘するイメージなのに対し、RDPは取得したデータを整理して使えるものとする“データ精錬所”的な役割を果たすイメージだ。より付加価値を付けて提供するのがRDPというわけだ。

説明では提供されるアプリケーションの例も紹介された。その一つがビジュアライズアプリでは複数の事象を一括で見られるアプリケーションの例で、車のフロントカメラの画像があり、その表示に合わせて車速やステアリングの動き、クルマの姿勢などが一覧できるようになっている。つまり、ドライバーから事象報告があった場合でも、このアプリを使えば複数のデータがリンクして表示されることで状況把握が一瞬にできてしまうわけだ。

また、取り出したデータをタグ付けする「自動アノテーションアプリ」では、ZMPのアルゴリズムで取得できるアノテーションのアルゴリズムを、そのままそっくりユーザーのアルゴリズムに置き換えられる。これだけでもかなりの効率化が図れるという。

今秋、ベータ版として無償提供される「RDP」は、実際の効果やユーザの具体的な課題などを明確にしたうえで、正式販のリリースに向けてシステムの改善を行っていく予定になっている。