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未来のメルセデスベンツ『Vクラス』、Gauzyのスマートガラス技術を採用…上海モーターショー2025

  • 《photo by Mercedes-Benz》
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イスラエルに本拠を置くGauzy社のスマートガラス技術が、「上海モーターショー2025」で初公開されたメルセデスベンツのコンセプトカー『ビジョンV』に採用された。

Gauzy社は光と視界制御技術のグローバルリーダーであり、今回のコラボレーションでは、ビジョンVのガラス面積の約75%にGauzy社の技術が使用されている。ビジョンVは高級感あふれるショーファー専用リムジンで、快適性を再定義し、新たな贅沢と優雅さの領域を提供するという。

メルセデスベンツは、初めてGauzy社のデュアルテクノロジースマートガラスを採用した。このガラスは、SPD(懸濁粒子デバイス)技術とPDLC(高分子分散液晶)技術を1つのガラスユニットに組み合わせている。これにより、動的な遮光、プライバシー保護、快適性向上、デジタル環境アプリケーションなど、より幅広い用途が可能となる。

メルセデスベンツはこれまでも、SPDとPDLC技術を個別に10年以上使用してきた。SPDはメルセデス・マイバッハ『Sクラス』やメルセデスAMG『SL』など5つの量産モデルに採用されている。一方、PDLC技術は2016年のAutobahnアクセラレータープログラムでデビューし、その後「EQ fortwo」や「ESF」などのコンセプトカーで展示されてきた。

ビジョンVでは、サイドウィンドウとクォーターウィンドウに、透明、遮光、プライバシーの各状態をシームレスに切り替えられるスマートガラスが採用されている。これにより、眩しさを軽減し、車内温度とエネルギー消費を抑えつつ、クリアな外部視界を維持できる。また、車内では運転席と後部座席を分ける仕切りにPDLCスマートパーティションが使用され、柔軟なプライバシーゾーンを提供している。

自動車用スマートガラス市場は急速に成長しており、2028年までに総額250億ドル規模に達すると予測されている。