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【スバル フォレスター 新型】デザイナーに聞いた、「+15mm」サイズ拡大の理由と「挑戦の歴史」

  • 《写真提供 SUBARU》
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  • 《写真撮影 内田俊一》
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SUBARU(スバル)は6代目となる新型『フォレスター』を日本にも投入することを発表した。「正統派SUV」として全面刷新し、特に大きく変わったデザインは、開発の中でも重要なポイントだったという。新型フォレスターの肝となるデザインについて、担当デザイナーにそのねらい、こだわりを聞いた。

◆デザインから始まった新型『フォレスター』
6代目フォレスターのデザイン開発はスバルとしてチャレンジだった。通常のデザイン開発は、「空力や視界、安全性能等の技術要件を数値化したうえでそれぞれの要件に合うようにポイントを決め、その制約の中でデザイナーがデザインしていました」と開発責任者であるSUBARU商品事業本部 プロジェクトゼネラルマネージャーの只木克郎さんはいう。しかしその要件そのものはあまり変わらないことから、「このままでは新しいものを生み出すには限界があり、似たようなデザインしかできないのでは」と懸念があった。そこで今回は、「思い切ってデザインからスタート。表現したいデザインを作ったうえで、技術的な要素を解決していきました」という。

デザインを担当したSUBARU経営企画本部 デザイン部 IMPREZA/CROSSTREK/FORESTER/BRZ 開発主査の源田哲朗さんは、「フォレスターはお客様からもそれなりに認知され、そして市場も大きく、先代は台数的にも非常に成功しましたので、次の世代では正常進化させる方向に行きがちです。しかし、ライバルがどんどん力をつけてきていますので、(これまで通りのやり方だと)さすがに負けてしまいます。そこでフォレスターのプレゼンス(安心・安全やSUVとしての高い機能性と日常での使いやすさ)をこれまで以上に高めようと考えました。それには我々自身が従来に捕らわれないでチャレンジするしかないんです」とその思いを語る。

そうして生まれたのが、 “Ready for Adventure”というワードだ。ここには“いつでも冒険に出られる頼れるGEAR”と、“挑戦したい、達成したい気持ちにさせる”クルマにしたいという思いが込められている。

源田さんは、この「アドベンチャー」に込めた思いについて、「フォレスターがあれば自分の相棒のように、今まで以上にもっとこんなことができるんじゃないか、こんなところまで行けるんじゃないかというニュアンスも込めています。単に悪路を走ることができるだけではなく、新たにお客様がチャレンジしたくなる気持ちに応えられるような意味を込めています」という。

◆「骨」を通して影を作る
そこから具体的なデザインに落とし込むために、まずは先代フォレスターのデザインを分析した。「結構ウェッジが強めで、キャラクターラインを使うことによってアクティブで、軽快さを塊として伝えていました」。今回はそうした今までのアプローチとは異なる部分で存在感を表現するために、「まず“骨”をしっかりと通した厚みのあるロアボディ、それとキャビンというエクステリアを構成しました」。その結果としてドアは大きな張りのある断面ができ、キャラクターラインなどに頼らない塊感を表現。

さらに、フェンダーやドア下部に影面を作った。通常は光が当たる面、ライトキャッチを作るのだが、あえて「影」を狙った。その結果として、「ドアはしっかりと分厚く見え、フェンダーも大きく張り出しているように見せています。そうすることで寸法以上の力強さが感じられるでしょう」と説明。同時にキャラクターラインではなく“骨”を通すように見せているので、「クリーンで、力強さがそのままストレートにお客様に伝わると思います」とのことだった。

またこの力強さの表現としてサイドウインドウ周りにも削いだ面で囲うような工夫が見られる。これにより、「上屋のピラーなどがすごく太い柱のような感じが伝わって、それがドアの張りにもつながるので、こんなに安心・安全な空間に守られているんだと感じてもらえるようにしました」と語る。

◆フォレスターのデザインは挑戦の歴史
フロント周りも大きく変化した。源田さんは、「これまでのスバルのヘキサゴングリルやコの字型のランプは大事にしてきたところで、否定するつもりは全くありません」としたうえで、「チャレンジするために、今まで以上にフォレスターの存在感や力強さをサイズ以上にどう表現しようかを考えると、要素ごとではなくランプとグリルが一体になる大きな面で表せる」ことに着目したと源田さん。そこで、「SUVは縦の厚みが大事なのでフードを持ち上げて、そこに(ランプとグリルが一体化した)大きな要素と組み合わせることで、縦方向とともに横の広がりも大きくなり、数値以上の逞しさが出ました」と述べる。

源田さんがここまで思い切れたのはフォレスターの変遷を踏まえたからこそ。「初代から俯瞰してみると、先代と先々代は割と近いんですが、それまでは代々大きくジャンプアップしているんです。チャレンジはもともとスバルが根っこに持っているものですし、今回はデザインで勝負するぞということも開発の初期から認識がありましたので遠慮なくやりました(笑)」とコメントした。

新型でサイズアップした全長と全幅(それぞれ+15mm)は全てデザインのために使われた。まずはフロントオーバーハング部分で厚みと横方向の広がりのため。それと同時にヘッドライトユニットの収納にも寄与している。スバルのヘッドライトユニットは、「ボディに対して少し出っ張っていたものがありました。その理由はボディ側のレイアウトの関係から奥に入れたくても入れられない場合もあったんです。それをうまく特徴として使っていましたが、今回は“造形しろ”をもらえましたので、顔を作るためにその寸法を全部活かしたんです。ですからフロント周りも含めてトータルで我々が思っていたことができました」と楽しそうに話す。

◆インテリアには遊び心も
新型フォレスターはインテリアも見どころだ。前席は、「エクステリアと同じで、まずドア周りからインパネまでしっかりと骨を通すことでお客様が囲まれることでの安心・安全を視覚化。そこに力強さを感じさせるヘキサゴンのモチーフを用いることでより可視化しその印象を強めています」。

ドアトリムについても、フロントドアとリアドアで造形のまとめ方とテーマを変えていることも特徴だ。通常はフロントドアのモチーフがそのままリアに反復されるが、源田さんは、「フロントはインパネからのつながりでまとめているので、前席のお客さんはその価値を感じ取ってもらえています。しかし後席に座っていきなりBピラーからそのモチーフがボンっと来たら、それが本当に後席のお客様にとっていいことなのかというと違うんです。後席には後席なりの感じ方と、お客様が一番安心したりゆったりと寛げるモチーフがある。それであれば前後で違うものになるわけです」と説明した。

前後の関係ではフロントシートにもこだわりがある。前席左右のシート形状が非対称なのだ。源田さんによると、「シートのバックレスト部分の内側が10mm削れています」という。この理由は、「前後席のコミュニケーションをしやすくするためです」とのこと。例えば、前席に座る母親が後席の子供とコミュニケーションをとる際に、少しでも肩口あたりが削れていれば、よりしやすくなるだろう。そのために10mm削ったのだ。源田さんは、「違和感がないようにまとめていますので、あまり気付かないと思います。こういうのもスバルっぽいでしょ(笑)」と話す。

遊び心も満載だ。「いろいろなところに等高線のモチーフを用いています。これはフォレスターの持つアドベンチャー的な要素を可視化しているんです。例えばリアゲートを開けた時の下面です。閉めると見えないんですが、実は荷物を入れた時に当たっても傷がつかないという実際の機能も兼ねています」と源田さん。ほかにも、「方位磁石やコンパス、望遠鏡、足跡、鳥が飛んでいたり山があるなどのマークが10か所ほど入れてあります」とのこと。隠れたモチーフをじっくりと探して見るのも楽しいだろう。