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地方都市の交通課題解決へ、ホンダの独自AI活用、自動運転技術の実証実験へ

  • 《写真提供 ホンダ》

ホンダの研究開発子会社の本田技術研究所は、神奈川県および小田原市と「交通課題解決に向けた自動運転技術の実証実験に関する協定」を締結した。この協定は、地方都市の交通課題解決に向けた自動運転技術の実用化を目指すものだ。

近年、少子高齢化によるドライバー不足や利用者の減少により、公共交通機関の減便や路線廃止が起こり始めている。特に坂道や傾斜地の多い地域では、交通弱者の問題が深刻化することが予想されている。

この背景から、3者は小田原市における交通課題の解決に向けて協定を締結し、ホンダ独自の協調人工知能「Honda CI(Cooperative Intelligence)」を用いた自動運転技術の実証実験を行う。Honda CIは、高精度地図や大規模なインフラ整備を必要としないため、さまざまな環境での活用が期待できる。

実証実験では、「レトロフィット型のアプローチ」を採用し、既存の町に先端技術を加えることで活性化を図る。具体的には、小田原市内で「地図レス協調運転技術」を搭載したCI自動運転技術の実証実験を行い、傾斜地への適合性および有効性を検証する。

ホンダは、「県西地域自動運転バス導入研究会」にも参画し、自動運転の技術実証実験に向けた企画立案や調整を行う。同社は、2020年代後半の実用化に向けて研究開発を加速させ、世界中の人々の移動と暮らしの進化に貢献することを目指している。