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流線型くっきりと…メルセデスベンツ『CLA』次期型、カモフラージュ脱ぐ!
メルセデスベンツの4ドアハードトップ、『CLA』次期型の最新プロトタイプをカメラが捉えた。開発は最終段階に突入したようだ。2代目である現行型は2019年に発売され、これが6年ぶりのフルモデルチェンジとなる。
次期型は、ハイブリッドとバッテリー電動の両方のパワートレインを使用するように設計された新しい「メルセデス・モジュラー・アーキテクチャ」(MMA)を採用する最初の車種だ。MMAプラットフォームについてCEOのオラ・ケレニウス氏は、「このセグメントで顧客が期待するすべての要素を大きく向上させる」と述べている。
メルセデスベンツは、バッテリー電気自動車にサブブランドの「EQ」ブランドで参入したが、優先度は後退している。しかしMMAプラットフォームは妥協することなくハイブリッドとバッテリー電動の両方に対応できるように設計されており、CLA次期型ではハイブリッドとして利用される。
今回捉えたプロトタイプを見ると、初スクープから22か月変わらなかった後に、ついにカモフラージュが削ぎ落とされた。フロントエンドとリアエンドはまだ偽装が残るが、ボディが露出しており、流線型ボディシルエットがくっきりと見てとれる。また、『EQE』と『EQS』からデザイン手法をいくつか取り入れていることもわかる。
フロントエンドには、スリーポインテッドスターのLEDデイタイムランニングライトを備えるヘッドライトを装備、シングルグリルバーと新設計のバンパーが加わる。また後部では、内部に星型のグラフィックを配置する円形のLEDテールライトが初めて露出している。
最大の注目はボンネットの下にある。ひとつ目は、まったく新しいハイブリッドパワートレインだ。新開発「M252」1.5リットル4気筒ガソリンエンジン、1.3kWhバッテリーパック、eモーター、そしてパワートレインとシームレスに連動するように新たに開発された、8速デュアルクラッチトランスミッションで構成されている。
これまでのエンジン開発とは異なり、これはまったく新しいアプローチだ。エンジンは、置き換えられる従来の1.5リットル「M260」エンジンよりも小さく、17%軽量化されており、単なるマイルドハイブリッドではない。メルセデスベンツはeモーターにより最高100km/hで数km走行できるとしている。
メルセデスベンツによると、ハイブリッドモデルには最高出力135ps、162ps、189psの3つの出力が提供される。燃費に関してパワートレインエンジニアのカルステン・クレブス氏は、新型ハイブリッドは「ディーゼル並みの燃費効率に達する」という。またトランスミッションエンジニアのヤン・ベッカー氏は、「48ボルトで提供するシステムが、日常使用に最適な組み合わせだと考えてる」と語っており、メルセデスベンツはプラグインハイブリッドを提供する予定はないようだ。
パワートレインのもうひとつの選択肢はバッテリー電動モデルだが、『EQA』とは呼ばれずに、CLAクラスとなる。メルセデスベンツはバッテリーセルの化学特性を大きく改善し、より効率的でコンパクトなパッケージで、上級車並みの技術を採用した、新しい電気モーターを導入している。バッテリーオプションは2種類提供され、容量58kWhのリン酸鉄リチウムと、85kWhのニッケルマンガンコバルトだ。
メルセデスベンツによると、バッテリー電動パワートレイン全体では「750km以上の航続距離が期待できる」という。急速充電と電子機器の軽量化のため、800ボルトアーキテクチャを採用し、最大320kWの充電が可能になっている。これは充電10分で最大300kmの走行距離を追加できるということだ。
これらの超効率的なエンジニアリングにより、電動CLAのプロトタイプは、EVによる24時間での最長走行距離という記録を作った。メルセデスベンツはポルシェ『タイカン』の記録を破り、24時間で3717kmを走行した。メルセデスベンツは、CLA次期型の急速充電能力、長い航続、そして空気抵抗の小さい外観を訴求している。
バッテリー電動CLAは、後軸に269psの電気モーターを装備する。後軸のeモーターは、高速時のモーター効率を向上させるように設計された2速ギアボックス(ポルシェのタイカンやアウディ『e-Tron GT』に似る)を備えている。「4Matic」 4輪駆動バージョンは、前軸に108psのeモーターを追加搭載している。
CLA次期型は2025年にデビュー予定で、その後は、新世代の「CLAシューティングブレーク」、『GLA』、『GLB』を発売予定となっている。CLAと同様、これらの新型車はいずれも、ハイブリッドとバッテリー電動の両方のオプションを用意することになるだろう。