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ホンダ、「アシモOS」で0シリーズの“賢い”を実現! 次世代EV「Honda 0 SALOON」「Honda 0 SUV」を世界初公開…CES 2025

  • 《写真撮影 三浦和也》
  • 《画像提供 本田技研工業》
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ホンダは1月7日(現地時間)、米国ラスベガスで開催されているCES 2025において、次世代EV「0シリーズ」の『Honda 0 SALOON(ゼロ サルーン)』および『Honda 0 SUV』のプロトタイプを世界初公開した。また、これに搭載するために新開発した独自のビークルOS「ASIMO(アシモ) OS」も合わせて発表した。

SDVの価値を提供する独自のビークルOS「アシモOS」を新開発
今回発表されたプロトタイプは、昨年1月、CES 2024において公開された「Honda 0(ゼロ)シリーズ」をより市販に近いモデルとしたもので、全ラインナップは2030年までに7モデルを予定。ホンダは今回の発表で、まずはHonda 0 SALOONおよびHonda 0 SUVを、2026年にグローバル市場への投入を開始するとしている。

この2つのプロトタイプに共通するのは、新開発のEV専用アーキテクチャーをベースに、Honda 0シリーズの開発アプローチである「Thin, Light, and Wise.(薄い、軽い、賢い)」を具現化する数々の新技術を搭載したことだ。中でも注目なのが、この中の特に「Wise」を実現するために新開発された独自のビークルOS「アシモOS」の搭載である。

アシモといえば、ホンダがヒューマノイドロボットとして、2000年から2010年代にロボティクスの世界で象徴的な存在となったことは多くの人が記憶していることだろう。

このアシモの開発で培われたのは、ロボティクス技術として外界認識技術や人の意図をくみ取って行動する自律行動制御技術などの進化だ。ホンダ ゼロシリーズでは、このアシモで培われた技術と先進知能化技術を融合することで、ホンダ独自のSDV(Software Defined Vehicle )の価値を提供していくことを目標としている。その中枢となるのがアシモOSなのだ。

SDVとは車両を販売した後も、OTA(Over The Air)によってユーザーの嗜好やニーズに合わせた進化を遂げていくことができる次世代のクルマのことを指す。

このアシモOSは、そのSDVを実現するためのソフトウェアプラットフォームとして、AD(自動運転)/ADAS(先進運転支援システム)や、IVI(車載インフォテインメント)などのクルマのシステムを制御するECUを統合的にコントロールする役割を果たす。つまり、これを基盤として車載ソフトウェアを常にアップデートする環境を実現し、移動の楽しさや快適性をもたらす空間価値、さらにはデジタルUX、人車一体の操る喜びを司る独自のダイナミクス統合制御を進化させていくというわけだ。

Honda 0 SALOON:フラッグシップに位置付けられる最先端モデル
では、アシモOSによって制御されるHonda 0 SALOON、Honda 0 SUVとはどんなクルマなのか。

まず、Honda 0 SALOONはCES 2024で公開したコンセプトモデル「SALOON」を、2026年の発売に向けて進化させたプロトタイプだ。シリーズの中でフラッグシップに位置付けられ、新開発のEV専用アーキテクチャーをベースとして、開発アプローチである「Thin, Light, and Wise.(薄い、軽い、賢い)」を具現化する次世代技術を搭載したという。

CES 2025ではその中でも、ホンダが世界で初めて実用化した自動運転レベル3技術に裏打ちされた高い信頼性の自動運転技術や、アシモOSによってユーザーごとに最適化された移動体験など、Wiseによって実現される一端を紹介した。

この0 SALOONの量産モデルは2026年に北米市場へ投入し、その後、日本や欧州などに展開していくことを予定している。

Honda 0 SUV:シリーズで最も早く市場投入されるSUV
次に紹介するHonda 0 SUVはHondaゼロシリーズの第一弾となる中型SUVのプロトタイプ。ホンダがこのクルマで実現しようとしているのは、EVで実現できる空間価値の考え方である。

ホンダはCES 2024でにおいて「SPACE-HUB(スペースハブ)」を披露したが、そこではThin, Light, and Wise.のアプローチをSUVに適用することで、それにつなげる次世代技術の搭載とともに、広々とした居住空間と開放的な視界をアピールしていた。CES 2025での発表では、独自のロボティクス技術で培った3次元ジャイロセンサーを活用し、これによって可能となった高精度な姿勢推定と安定化制御が、あらゆる路面環境において安心かつ意のままにコントロールできるダイナミクスを実現するとした。

なお、Honda 0 SUVの量産モデルは、2026年前半に北米市場へまず投入する計画で、0シリーズとして最も早い市場投入となる。その後日本や欧州などグローバルに展開を進めていく計画だ。

全車速域でのアイズオフをOTAによるアップデートで実現
今回の発表では、Honda 0シリーズで展開される3つのトピックについても紹介があった。

一つは自動運転(AD)技術で、そのポイントは自動運転レベル3(アイズオフ)である。具体的には、まず高速道路での渋滞時アイズオフで自動運転技術を搭載し、OTAによる機能アップデートによって運転支援・自動運転レベル3適用の範囲を拡大。この実現により、レベル3では運転主体が人からクルマへと変わり、映画鑑賞やリモート会議など、従来は実現していなかった「ドライバーによる移動中のセカンドタスク」を可能になるという。

発表によれば、ホンダはこの技術を進化させることで、世界に先駆けて全車速域でのアイズオフを実現していく考えだ。

SoCはルネサスが開発した「R-Car X5シリーズ」を採用
二つ目はHondaゼロシリーズが目指すSDVの実現に向けて、そのコアECU向けSoC(システム・オン・チップ)の開発をルネサス・エレクトロニクスに委ねる契約を締結したことだ。

Hondaゼロシリーズが採用するE&Eアーキテクチャーでは、これまでクルマのシステムを制御するために備えていた複数のECUを、コアECUに集約する“セントラルアーキテクチャー”型とする計画だ。

その実現には当然ながら高い処理能力と、それに伴う消費電力の抑制も重要となるが、そこにルネサスの汎用車載半導体である第5世代SoC「R-Car X5シリーズ」を採用する。ホンダ独自のAIソフトに最適化されたAIアクセラレータを、このR-Car X5シリーズが持つマルチダイ・チップレット技術によって組み合わせたシステムを展開していくというわけだ。

ホンダではこの組み合わせによって、AI性能としては業界トップクラスの2000TOPSを20TOPS/Wという高い電力効率での実現を目指すとしている。

ストレスフリーで自由な移動の実現に向けた充電網の構築も
三つ目となるのが、EVには欠かせない充電インフラへの取り組みだ。

ホンダはこのHondaゼロシリーズを環境に負荷をかけることなく、自由な移動の喜びを提供することを目的に「ストレスフリーで自由な移動の実現に向けた充電網も構築」「EVバッテリーを活用したクリーンで須スマートなEVライフの提供」という2つの軸による新たなエネルギーサービスを展開するとした。

そのために北米で展開するのが自動車メーカー8社(ホンダ、BMW、GM、ヒョンデ、キア、メルセデスベンツ、ステランティス、トヨタ)による合弁会社「IONNA(イオナ)」が提供する充電網で、2030年までに3万口の高品質な充電網を構築する計画だという。他にもHondaゼロシリーズの投入に合わせ、アマゾンウェブサービス(AWS)の生成AI「Amazon Bedrock」などの技術をホンダの知能化技術に組み込んだ、新たな充電サービスの提供も検討中だと説明した。

また、カーボンニュートラルの実現に向けては、EVの全充電シーンの約8割を占めると言われる自宅充電において、進行中のEV向け充電サービス「Honda Smart Charge」をさらに進化させていき、2026年以降、電気代とCO2削減に貢献する新サービスを順次北米市場で開始していく計画としている。

注目すべきは、このサービスにおいてHondaゼロシリーズの車両が仮想発電所(Virtual Power Plant)として機能することだ。具体的には電気代が安く、再生可能エネルギーを活用できる時間を選んで充電を行い、電気代が高い時間帯では家庭向けに放電することで家庭全体の電気代を賢くマネジメントする。これにより、電力が不足した時などに電力の安定化にも貢献するとともに、EVが収入源となることも可能になるという。