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VW、4台の自動運転「ポッド」提案…遠隔医療や移動式充電ステーションとしての利用を想定
フォルクスワーゲングループは4月1日、ドイツで開幕した世界最大の産業見本市、「ハノーバーメッセ2019」において、コンパクトな自動運転コンセプトカー、フォルクスワーゲン『ポッド』(Volkswagen POD)4台を初公開した。
ポッドのボディサイズは、最大で全長4800mm、全幅1850mm、全高2150mm。ハノーバーメッセ2019では、さまざまなポッドが、将来のビジネスアイデアを生み出すための基盤として、どのように役立つかを提示した。フォルクスワーゲングループは、ポッドのハードウェアとソフトウェアを供給し、さまざまな分野での活用を見込む。
◆医療用のポッドが無人の自動運転で患者の自宅へ。医師は遠隔で診断
『ヘルスケアPOD』は、医療に用いることを前提にしたポッドだ。車内には、診断のための椅子やモニターが装備されており、患者のために多くのスペースも提供する。 医師はこのヘルスケアPODを通じて、患者をオンラインで遠隔治療する。ドイツでは2018年、バーデン=ヴュルテンベルク州が、遠隔治療法を許可した最初の州になったという。
ヘルスケアPODの背景にある考え方は、遠隔医療の選択肢を広げること。例えは、予防プログラムの枠内で、血液検査や健康診断を実施することが挙げられる。患者のデータは、患者が身に着けたスマートウォッチなどのスマートデバイスを通じて、リアルタイムで医師に送信される。
ヘルスケアPODはまた、在宅で治療を行う慢性疾患を持つ患者にとっても、利便性の高いものになるという。 将来的には、治療室が患者の自宅を訪問できるようなる時代が来る可能性がある。ヘルスケアPODはドライバーを必要としないため、低コスト化が可能。ヘルスケアPODは、アプリで予約できる。
◆移動ショップを提案するポッドでは自動運転での移動中に新しいスーツを注文可能
『リテールPOD』は、移動ショップを提案する1台だ。ハノーバーメッセ2019では、新しいスーツやドレスをオーダーするためのPODが披露された。このリテールPODの使い方には、例えば次の会議に出席するための移動中に、新しいスーツを注文することができる。リテールPODのインテリアにはタッチディスプレイが装備されており、お気に入りのスーツを検索。リテールPODは、レーザー光でボディスキャンを行い、ユーザーの体格を測定。システムは最後に、配達時間を案内する。支払いは、カードまたはスマートフォンで行う。
◆自動運転でやって来る移動式コーヒー店。8つの席と高速インターネット搭載
『バリスタバーPOD』は、移動式のエスプレッソバーだ。8つの席と高速インターネットを搭載する。スウェーデンのコーヒーブレイク、「フィーカ」スタイルでデザインされた居心地の良いモバイルカフェを目指した。バリスタバーPODは、ビジネスの世界のホットスポットとして、またショッピングゾーンでのイベントなどでの活用が考えられるという。車内ではカプチーノかエスプレッソが提供される。
◆移動式の急速充電ステーションポッドが各ポッドに電力を供給
『エネルギーPOD』は、充電インフラのギャップを埋めるために使用する移動式の急速充電ステーションポッドだ。ある一定のエリア内において、ネットワーク接続されているすべてのPODの充電レベルとニーズを把握。適切なタイミングで、各ポッドに電力を供給する。
エネルギーPODは、サッカーの試合やロックコンサートなどの大規模なイベントで使用するために、デジタルオンラインサービスで予約することも可能。また、EVなどの電動パワートレイン車を充電するために、アプリによってエネルギーPODを呼び出すことができる、としている。