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ランチア『イプシロン』新型、ラリーカーの受注開始…212馬力の1.2ターボ搭載

  • 《photo by Lancia》
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ランチアは10月25日、新型ラリーカー『イプシロン Rally 4 HF』の受注を開始した。現地ベース価格は7万4500ユーロ(約1230万円)で、ステランティス・モータースポーツ・レーシングショップを通じて世界中で注文が可能となっている。

この新型車両は、ランチアが自動車レース界に復帰するための重要な一歩となる。開発には、世界チャンピオンレーサーのミキ・ビアジオン氏も参加している。現在は最終調整段階にあり、2025年1月1日までに公認取得を目指している。最初のモデルは2025年1月末から納車が開始される予定だ。

イプシロン Rally 4 HFは、ステランティスグループの他のラリー4車両とは異なり、初めてCMPプラットフォームのMHEVバージョンを採用している。新プラットフォームの上に格子状の溶接チューブロールケージを構築することで、より軽量で強力なシャシーを実現した。

エンジンには1.2リットル3気筒4バルブのピュアテックターボを搭載。ターボとエキゾーストを改良し、専用のエンジンマネジメントシステムを採用することで、最高出力212hpを実現している。このエンジンは高出力で信頼性が高く、走行コストも安価であり、ラリー4ドライバーにとって理想的な選択肢となっている。

サスペンションにはマクファーソンストラット式を採用し、オーリンズ製の3ウェイ調整式ショックアブソーバーを装備。ドライバーが自身の運転スタイルに合わせて細かく調整できるようになっている。

ブレーキシステムは、サーキット仕様の330mmフロントベンチレーテッドディスクブレーキを採用。強力な制動力を発揮し、特に上り下りの多いイタリアのラリーで重要となるオフスロットルブレーキングを可能にしている。

外観デザインでは、HFロゴに加えて、歴史的な「LANCIA CORSE HF」のシグネチャーが復活している。新しいロゴは、ランチアのルネサンスに沿って、歴史的なバージョンにインスパイアされながらも現代的な解釈を加えた未来志向のデザインとなっている。