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車中泊に“ちょうどいい!”日産 NV200『MYROOM』が登場
メーカ謹製の車中泊仕様として日産がリリースしている『キャラバンMYROOM』。使い勝手の良さやデザイン性、クルマメーカーが作るクオリティで高い評価を受けている。そんなMYROOMに『NV200』ベースのミドルサイズモデルとして「NV200バネットMYROOM」が新登場した。
◆日常使いから車中泊までオールマイティな仕様
日産の車中泊仕様として新たに登場したのはNV200 バネット MYROOM。その名の通りNV200バネットをベースにしたミドルクラスの車中泊仕様だ。キャラバンでは大きすぎる、普段使いから車中泊~レジャーにまで一台でまかなえるクルマが欲しい、そんなニーズに応える形で登場したのがNV200 バネット MYROOMだ。
MYROOMシリーズとはキャンピングカーほどの本格的な装備は必要無いが、ゆったりと車中泊できる装備が欲しいと言うユーザーに向けて設計されたシリーズ。ギャレーなどの水回りや調理施設などは備えないシンプルな仕様で、極力居住空間を広く確保したのが特徴。寝る/くつろぐといった用途に特化した仕様を込めて、キャンピングカーでは無く車中泊仕様に特化している点が潔い。
またMYROOMのネーミングが示すとおり、部屋をイメージした内装の作り込みもこのモデルの特徴。北欧家具を思わせる室内の調度品や内壁などを備え、車内をスクエアなデザインで仕上げることで、まるで部屋に居るようにリラックスできるのも狙いとなった。普通のバンモデルではあり得ない間接照明を用いることも部屋のムードを作り出すことに一役買っている。車中泊や車内ランチを快適に過ごすために必要な装備を込めたのがMYROOMのコンセプトだ。
◆車内で快適に過ごすためのギミックが満載のMYROOM
ここからはNV200 バネット MYROOMの注目ポイントについて順に説明していくこととしよう。室内では後席以降がMYROOMの特別仕様となっている。まず見どころなのはラゲッジスペースに設置されるベッドだ。左右のウォールに橋渡しする形状で設置するベッドマットは脱着式で、セットすることでフラットなベッドを作れる。またリビングアレンジとしては前向きのベンチシートとしても使える。
後席をフラットアレンジすることで後席~ラゲッジまでをフルフラットにできる。全長1840mm×全幅1200mmのベッドは大人2名が余裕で寝られるスペースは魅力だ。しかもミニバンなどに標準装備される“フルフラット”ではシート座面/シートバックの凹凸があり、完全なフラットベッドにはならないのとは対照的に、このベッドは完全にフラットになるのが寝心地の良さにつながる。これも車中泊仕様を標榜する同モデルがこだわった点。
車内装備で素晴らしいのが後席に採用されている2in1シート。キャラバンMYROOMでも採用されたこのシートは、前向き乗車はもちろん、シート座面を引き起こして背もたれを座面としてたたみ込めば後ろ向きのソファとしても利用可。ソファモードの際には座面となる部分は柔らかなクッション材を用いているのでゆったりくつろぐことができるという設計。さらに座面と背もたれをフラットにしてラゲッジのベッドとフラットにつなげるベッドモードも可能。3ウェイで使える2in1シートは高級キャンピングカーでも装備していない日産だけの目玉パーツだ。作りも良く機能性も抜群なのでこれだけでもMYROOMを手に入れる価値がありそう。
先に紹介した後席~ラゲッジ全体をしたフルフラットにしたベッドモードに加えて、後席を後ろ向きのソファとして用い、ラゲッジのベッドマットを半分用いてベンチシートとしてセットすれば向かい合って座れるリビングスペースを作ることができる。その際に便利なのがスライドテーブルだ。サイドウォールにはスライドレールを設けてあるので好みの位置に車幅いっぱいのテーブルを移動できる。車内ランチはもちろんリモートワークにも使える装備となる。
車内は北欧調の木目が美しい家具やサイドウォールで構成される。またベッドの表皮にはヘリンボーン生地を使うことで落ち着いた部屋のイメージを再現。家具をスクエアデザインとすることで車内の開放感を高めているのもこのモデルならではの魅力と言えるだろう。
さらに車内で電気を使うシーンも想定してAC100Vのコンセントも装備。オプション設定となっているポータブルバッテリーを積載すればいつでもどこでも家庭用電気機器を利用することができる。また走行中にポータブルバッテリーに充電する走行充電にも対応しているので、うっかり自宅で充電を忘れてしまってもドライブ中にしっかり充電できるのも良いところ。
ところでバンベースのNV200 バネット MYROOMなので乗り心地が心配という潜在ユーザーもいるだろうが、その点でもこのモデルにはコンフォートサスペンション(2WD)と呼ばれるMYROOM専用のサスペンションを採用。乗用車と同様の快適な乗り心地が味わえる。
さらに外装ではMYROOM専用のツートーンカラーを選べる、ブラックスチールホイールの採用など、アウトドアでも普段使いでもおしゃれに乗りこなせる仕様としている点にも注目だ。
車中泊に便利な各種の装備を込めたこの仕様、ベースとなるNV200に対して約200万円アップのプライスが付けられている。キャンピングカーのような豪華な装備はいらないという車中泊派にぴったりな同モデル、クルマメーカーが作った質の高い車中泊仕様がこの価格で手に入ると思えば割安と感じるのではないだろうか。
土田康弘|ライター
デジタル音声に関わるエンジニアを経験した後に出版社の編集者に転職。バイク雑誌や4WD雑誌の編集部で勤務。独立後はカーオーディオ、クルマ、腕時計、モノ系、インテリア、アウトドア関連などのライティングを手がけ、カーオーディオ雑誌の編集長も請負。現在もカーオーディオをはじめとしたライティング中心に活動中。