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【三菱 eKワゴン・eKクロス 新型】益子会長「eKクロスは三菱自動車らしいクルマ」

  • 《撮影 小松哲也》
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三菱自動車は3月28日、軽自動車の主力車種である『eKワゴン』を約6年ぶりに全面改良し発売した。全面改良を機にカスタムモデルの『eKカスタム』に代わり、クロスオーバータイプの『eKクロス』を新たに設定した。価格は129万6000~176万5800円となっている。

新型eKワゴンは先代同様に日産自動車との協業によるモデルとなるが、三菱の益子修会長CEOは同日都内で開いた発表会で「私どもの約60年にわたる軽自動車造りのノウハウと、日産の先進技術とを融合して造り上げた新世代の軽ハイトワゴンとして、両社の強みをいかした高い商品力を実現している」と述べた。

先代は企画そのものは両社共同で、実際の開発、設計から製造までは三菱自動車が行ったが、新型では開発、設計を日産が主導し、製造は引き続き三菱が担当するという役割分担に変わった。

この変更に関して益子会長は「もともと軽を(最初に)共同開発した際は、どちらかというと日産が三菱の軽に相乗りするというのが実態だった。その後、(ルノー、日産、三菱の3社連合の)アライアンスになって、お互いのリソースを最適に使うにはどうしたら良いかということを考えた末に行きついたのが、今回の軽の開発」と明かす。

具体的には「他社に勝ちたいということで日産の技術を最大限に使う。一方で我々には軽をこれまで造ってきた技術もあるし、(eKワゴンの生産工場がある)水島には製作所だけでなくて周辺に多くの部品メーカーがあるので、トータルコストという意味では大変大きなメリットがある。お互いに良いところを持ち合って造り上げたクルマだ」と解説。

そのうえで「これがアライアンスのひとつの在り方だと思う。いろいろとアライアンスの議論がなされるが、やはりお互いの良いところを持ち合って、お互いウィンウィンになるというのが最も理想的な形。この軽自動車の開発と生産はそれが体現されていると認識しているので、これがひとつのアライアンスのモデルケースにしていけば良いくらいに思っている」との認識を示した。

一方、今回新たに設定したeKカスタムについて益子会長は「三菱自動車が強みとしているSUVのテイストを取り入れた、クロスオーバーモデルeKクロスを設定した。このeKクロスはブランドメッセージ『ドライブユアアンビション』を体現したモデルであり、行動範囲を広げたい、様々なことに挑戦したいというお客様の思いに応えられる三菱自動車らしいクルマになったと自負している」と語る。

三菱では新型eKワゴンとeKクロスを合わせて月4000台の販売を目標に掲げ、このうち半数をeKクロスが占めると見込んでいる。益子会長は「軽自動車事業については今年度2月末までの三菱自動車の国内販売台数の中で約54%を占めており、私どもにとって大変重要な位置づけとなっているが、その中でもeKシリーズは販売をけん引する重点車種。販売目標台数の月4000台は2018年度のeKシリーズの販売実績見込みの約1.5倍の台数であり、意欲的な目標ではあるが、必ずや国内販売を力強く盛り上げるクルマとなることを確信している」と話していた。