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小糸製作所、LiDAR事業を強化…米セプトンを子会社化

  • 《写真撮影 高木啓》

小糸製作所は7月29日、米国カリフォルニア州に本社を置くセプトン(Cepton)を子会社化することを決定した、と発表した。

これにより、セプトン社は2025年3月期第4四半期より正式に連結子会社となる見通しだ。

自動車産業では、ADAS(高度運転支援システム)や自動運転向けシステムの開発が進展しており、各種センサーによる周辺監視のニーズが高まっている。特に、検知範囲や精度に優れるLiDAR(Light Detection and Ranging)は、今後の市場拡大が予想される重要なセンサーだ。

小糸製作所とセプトン社は2018年からLiDARの共同開発を開始し、短・中・長距離用LiDARの開発に取り組んできた。これにより、乗用車から産業機械、建設機械、農業機械などの車載向けに加え、インフラ領域向けの周辺監視ニーズにも対応してきた。

2024年4月には、自動運転レベル4車両(高速道路や限定された地域等の特定の条件下における完全自動運転)における周辺監視用途として、セプトン社と協業で開発した短距離LiDARが選定され、受注に至った。

今回の子会社化により、セプトン社の優れた技術力と小糸製作所グループの自動車照明器や交通システム事業で培った技術・ノウハウを組み合わせ、LiDAR事業における品質、価格、供給、開発(QCDD)及び市場競争力の更なる強化を図る。

小糸製作所は「安全を光に託して」という企業メッセージのもと、自動車照明器などの「光」を通じて安全・安心な交通社会の実現に貢献してきた。今回の子会社化により、LiDARというセンサーの「光」を加え、ADASや自動運転が普及する次世代モビリティ社会においても安全・安心に貢献することを目指す。また、自動車照明器とセンサー技術のシナジーにより、更に高付加価値な製品を提供し、持続的な企業成長を追求していく。