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アウディ『A5』新型がラインオフ、ドイツ最新工場が追求する「持続可能な生産」

  • 《photo by Audi》
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アウディは7月16日、新型『A5』の生産をドイツ・ネッカーズルム工場で開始した、と発表した。

この新モデルは、部分的に電動化された駆動システムと新しい電子アーキテクチャを備えたプレミアムプラットフォームコンバッション(PPC)に基づいている。アウディは「360ファクトリー」生産戦略に基づき、持続可能な車両生産を一貫して推進している。目標は、2025年までにネッカーズルム工場で製造されるすべてのモデルをネットカーボンニュートラルにすることだ。

新型A5の生産開始に伴い、ネッカーズルム工場では、「史上最大のスタートアップフェーズが始まった」としている。アウディは工場の近代化、デジタル化、そして持続可能な生産への転換を進めている。2025年までに、ネッカーズルムを含むすべてのアウディの生産拠点はCO2ニュートラルを達成する予定だ。

2025年には、改装された塗装工場が完成する予定。この塗装工場は自動車業界で最も近代的なものの一つとなる。アウディは環境に優しい水性塗料を標準とし、新しい塗装プロセスを導入している。これにより、車両1台あたり最大140kWhのエネルギーを節約できる。

さらに、アウディはネッカーズルム工場での腐食防止に最新の方法を採用している。カソードディップ塗装では、車体をタンク内で逆さまに回転させるプロセスを使用し、空気泡の形成や汚れの堆積を防いでいる。また、新しい乾燥プロセスにより、エネルギー効率が向上し、将来の電動車両やハイブリッド車両にも適している。

アウディはまた、新しい塗料分離プロセスを導入し、車両1台あたり約50kWhのエネルギーを節約している。このプロセスでは、塗料ミストを最新のフィルターで捕捉し、90%以上の空気を再利用することができる。

水資源の持続可能な利用もアウディの重要な目標。2035年までに生産におけるエコロジカルウェイトの水消費量を半減させることを目指している。ネッカーズルム工場では、閉じた水循環システムを使用し、2025年からは70%の新鮮な水を節約する予定だ。

ネッカーズルム工場は、グループ内で初めて全ての付加部品を完全自動で取り付ける工場となった。これにより、部品の取り付け精度が向上し、外部の影響を最小限に抑えることができる。