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【日産 デイズ 新型】ルノー日産エンジンで質感向上

  • 《撮影 雪岡直樹》
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  • 《撮影 雪岡直樹》
  • 《撮影 中尾真二》
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  • 《撮影 雪岡直樹》
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新型日産『デイズ』は、昨今の軽自動車市場と旧型の振り返りから生まれたという。車両の特徴は日産軽としては初となるプロパイロットの搭載。関連したADAS機能とコネクテッド機能の充実。新型パワートレインも魅力だ。この稿では、パワートレイン周りの変更について掘り下げたい。

◆BR08をダウンサイズしターボモデルも投入

新型デイズのエンジンは「BR06」型。新興国向けにルノー日産アライアンスで開発した「BR08」をベースに、軽自動車向けにボアダウンしたものだ。

ラインナップとしてスタンダードと、12Vのマイルドハイブリッドシステムを搭載したS-HYBRIDエンジン(BR06-SM21)と、さらにインタークラー付きターボを搭載したもの(BR06-SM21インタークラーターボ)の3種類。馬力は、スタンダードとS-HYBRIDが38kW/6400rpm(52PS)。ターボ付きが47kW/5600rpm(64PS)。トルクが同前、60Nm/3600rpm(6.1kgfm)と110Nm/2400~4000rpm(10.1Nm)となっている。

BR08は800ccのエンジンだが、ボアを下げロングストローク化されている。BR08はボア×ストロークが65.4mm×65.4mmとスクエアな設定に対し、BR06では同前61.7mm×71.2mmだ。これに伴い補器類のみなおし、EGIのリファイン、各部のフリクションロスの低減を行い、新型エンジンは旧型より15%のトルクアップを実現している。

800ccから1リットルクラスのエンジンを利用したため、新型は旧型よりクランク、シリンダブロック、オイルパンの剛性が向上し、トランスミッションもハウジング剛性、接続ボルトの増加となっている。これらはエンジンの静粛性に貢献している。バルクヘッドとフロアの遮音材・吸音材の強化により、車内の騒音がコンパクトカーと同等な室内ノイズを実現したという。

◆新型CVTにマイルドハイブリッドを組み合わせた

トランスミッションはCVTとなるが、ジヤトコ製でレシオカバレッジの広いものが搭載される。CVTのカバレッジが広がることで、副変速機が不要になった。

エンジン自体がトルクアップしているので発進加速、中間加速ともに旧型より改善されているのだが、新しいCVTは、加速感を高めるためにプーリーをリニアに制御しない、ステップ変速制御を導入している。

S-HYBRIDシステムは、軽自動車のマイルドハイブリッドにありがちな鉛電池ではなく、リチウムイオンバッテリーを搭載し、電池、モーターの容量をアップしている。2kWのモーターが100rpmから40Nmのトルクを生み出す。回生ブレーキも強化され、モーターアシストの可動域を挙げている。アイドリングストップ時間は旧型より1割ほど長くなり、モーターアシスト時間は旧型の10倍としている。

◆運転していて疲れない静粛性

スタンダードモデル(Xグレード)やターボ仕様車の試乗で感じたのは、どちらも軽自動車とは思えないくらい車内が静かだということ。高速走行や発進加速時に、エンジンノイズが気になることはない。軽自動車っぽい特有の音がしないのはゆったりした運転ができてよい。

惜しいのは、やはり絶対的な加速だろうか。NA・ハイブリッドなしのグレード(S、X)の場合、加速中、高速走行中のトルク感はしっかりしているのだが、CVTの本質的な特性として加速のもっさり感がぬぐえない。もちろん、通常走行や高速ランプの合流などでストレスになるようなレベルではない。おそらくターボ車との比較でよけいに感じてしまった部分がある。

ターボの有無に関係にあく、高速コーナーやスラロームでは、タイヤがアスファルトにこすれる「ジリジリ」という小気味よい音(スキッド音ではない)が聞こえるほどだ。静粛性の向上は、プロパイロットによる高速道路での走行をさらに快適にしてくれるはずだ。

ブレーキフィーリングも悪くない。女性向けにペダルの踏み始めからフル制動を発揮するのではなく、踏力に応じて効きが強くなるイメージだ。これは、女性はあまりかかとをつけてブレーキを踏まない傾向にあり、カックンブレーキになりがちということを考慮しての味付けだそうだ。

踏力に応じた制動力が制御できると、ベテランドライバーでも、コントロールブレーキがやりやすくなるので好む人は少なくない。