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長距離輸送にもEVトラックを、航続500kmを実現するメルセデスベンツ『eActros 600』の新技術

  • 《photo by Mercedes-Benz》
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メルセデスベンツは7月8日、新型EVトラック『eActros 600』のプロトタイプ試乗会をドイツで開催し、そのテクノロジーを公開した。同車は、未来的なデザインと静かな走行、そして500kmの航続を実現する電動トラックだ。

このトラックは、長距離輸送におけるカーボンニュートラルを実現する可能性を秘めている。このイベントでは、eActros 600が日常の運行でどのように機能するかを示すために、ドイツ・ヴェルトのカスタマーセンターを出発点とする3つのルートが設定された。これらのルートは、南部ワイン街道やゲルマースハイムを通り、高速道路や主要道路、産業地域を含む多様な環境をカバーしている。標準的なセミトレーラーが車両に取り付けられ、総重量は約40トン。

eActros 600は、800ボルトの電動アクスル、2つの電動モーター、4速トランスミッションを搭載しており、長距離輸送に特化して設計されている。電動モーターは連続出力400kW、最大設計速度600kWを生成する。また、予測パワートレイン制御(PPC)クルーズコントロールとトランスミッション制御システムが搭載されており、地形や道路レイアウト、交通標識を考慮して最も効率的な運転スタイルを実現する。

eActros 600には、各207kWhのバッテリーパックを3つ搭載し、総容量は621kWhに達する。長寿命のリチウム鉄リン酸塩セル技術が採用された。CCS充電に加え、将来的にはメガワット充電(MCS)にも対応予定。約30分で20%から80%まで充電可能だ。

さらに、メルセデス・ベンツ・トラックスは「eTruckReady」ウェブアプリケーションを開発し、計画されたルートが電動トラックでどのようにカバーできるかを事前に確認できる。このツールは、車両モデルやバリアント、冷蔵温度などのパラメータを設定し、ルートの電動走行可能性を計算する。