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VWパサート 改良新型、全速度域で部分自動運転可能な「トラベルアシスト」初搭載…ジュネーブモーターショー2019

フォルクスワーゲンは、ジュネーブモーターショー2019において、改良新型『パサート』(Volkswagen Passat)シリーズを初公開し、同車に「トラベルアシスト」(Travel Assist)を初搭載すると発表した。

◆部分自動運転が0~210km/hというあらゆる速度域で実現可能に

トラベルアシストは、フォルクスワーゲンの最新の先進運転支援システム(ADAS)で、部分自動運転を可能にするもの。改良新型パサートは、0~210km/hというあらゆる速度域において、部分自動運転を実現する初めてのフォルクスワーゲン車になる。フォルクスワーゲンによると、これは完全自動運転につながる大きなマイルストーンになるという。

トラベルアシストは、マルチファンクションステアリングホイールのボタンに触れて、システムを起動する。法律や安全上、ドライバーは常にこのシステムの作動を監視する。そのため、トラベルアシストでは、ドライバーがステアリングホイールを握っているか否かを確認する。

◆ステアリングホイールをドライバーが握っているかどうかを検知

この確認は、フォルクスワーゲンが初めて採用した静電容量式タッチセンサー式の「キャパシティブステアリング」(ハンドル保持検知機能)によって、さらに簡単に行えるようになった。ドライバーがステアリングホイールを握っていることを検知すると、トラベルアシストをはじめとする各システムにインタラクティブなインターフェイスを提供する。

このシステムは、ステアリングホイールを軽く握るだけで検知する。その表面は、静電容量式タッチセンサーになっており、ドライバーが車両を操作しているか否かを検出する。従来は、ステアリングを少し動かすことが必要だった。ステアリングホイールから10秒以上手を離していると、ドライバーに警告を発する。この警告は、視覚信号、音声信号、ブレーキペダルの振動で行う。この警告にドライバーが無反応な場合、エマージェンシーアシストを起動して、自動制動を行い、車両を停車させる。

◆ブレーキによる回避操作で安全性を高めるエマージェンシーステアリングアシスト採用

改良新型パサートに導入されたもうひとつの新機能が、ブレーキングによる回避操作で安全性を高める「エマージェンシーステアリングアシスト」だ。最新世代のアダプティブクルーズコントロール(ACC)は、プレディクティブ(予測)クルーズコントロール機能を備えている。以前は、車間距離制御のみ行っていたACCが、制限速度や場所、カーブ、ランナバウト、交差点などに対応して車速を調整できるようになった。DSG仕様なら、ACCは渋滞とストップ&ゴーにも対応して、自動発進、自動停止する。

また、改良新型パサートでは、新しいマルチファンクションカメラにより、「レーンアシスト」の案内機能をさらに充実させた。車線だけでなく道路脇の空間も検出可能になった。その他の機能では、車線変更システムの「リアトラフィックアラート」付き「サイドアシスト」、緊急ブレーキシステム、歩行者検知機能付き「フロントアシスト」、トレーラー操作システムの「トレーラーアシスト」、駐車支援システムの「パークアシスト」などがある。

電気機械式ブレーキサーボ(eBKV)の性能も大幅に向上させた。このシステムは、全モデルに搭載しており、ブレーキの反応時間を短縮し、各支援機能を用いたドライビングの質を高めた。これにより、ブレーキングへの介入がより緻密に行えるようになり、ACCは以前よりも快適に反応するという。歩行者検知機能付きフロントアシストと連携して、制動距離は、システムの限界内で大幅に短縮している。

これらの技術は現在、自動運転への道を切り拓くフォルクスワーゲンの運転支援システムの新しい傘下ブランド、「IQ.DRIVE」(アイキュー・ドライブ)」という名の下で統合された。改良新型パサートは、これらの支援システム同様、最新のIQ.DRIVEを搭載している。