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アウディのEVスポーツ『e-tron GT』、改良新型は表情変化…航続は609kmに拡大
アウディは6月18日、スポーツEVの『e-tron GT』の改良新型を欧州で発表した。改良新型は「S e-tron GT」を名乗り、航続や性能の向上を実現している。
e-tron GTは、2021年のデビュー以来、アウディの電動スポーツカーのトップモデルとして位置づけられている。4ドアのグランツーリスモは、強力な駆動システム、そしてダイナミックなハンドリングを兼ね備えている。改良新型は、これらの特性をさらに強化し、スポーティな走行性能を向上させている。
フロントアクスルには新開発の永久磁石同期モーター(PSM)を搭載し、最大出力239psを引き出す。リアのモーターも新たに設計され、システム全体の出力は679psに向上した。0~100km/h加速は3.4秒、最高速は245km/hに到達する。
アウディは、高電圧バッテリーの重量を減らすと同時に、そのエネルギー密度を高めた。エネルギー密度が向上したにもかかわらず、バッテリーの重量は9kg軽量化され、合計625kgに。バッテリーの総蓄電容量は105kWh(ネット:97kWh)とした。その他の対策としては、2層の冷却プレートを最適化することで、33個のセルモジュールの容量が12%向上。アウディはセル自体の冷却システムも改良した。これらの改良により、1回の充電での航続は最大609kmに拡大している。
改良新型は、新しいフロントマスクを採用して、表情が変化した。ブラックのマスクが、完全に閉じた逆シングルフレームを囲む。エンボス加工された構造が、グリルに正確な立体感を与えている。シングルフレーム上部には、ボディ同色加工が施された。フロントバンパーでは、ホイール周りのエアフローを最適化するエアカーテンを採用。リアは、垂直フィンが特長のディフューザーを装備した。このディフューザー上部にはボディ同色のインレイが配され、ディフューザーとリアバンパーをつなぐ役割を果たしている。
内装もスポーティな要素と持続可能な素材を使用しており、新しいシートやステアリングホイール、デジタルコンテンツが特徴。持続可能なマイクロファイバー素材「ディナミカ」やリサイクルポリエステルを使用した「カスケード」などが採用されている。