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自律走行で火災現場へ、毎分4000リットル放水…実戦配備型消火ロボット 三菱重工が開発

三菱重工業は3月22日、消防隊員が接近困難な火災現場での活躍が期待される、実戦配備型消防ロボットとして「放水砲ロボット」と「ホース延長ロボット」の2機種を開発したと発表した。

放水砲ロボットは、石油コンビナートなど、人が近づけない場所で消火冷却を効果的に行い、ホース延長ロボットは最大300mまで消防用ホースを自動敷設して放水砲ロボットに効率良く水を供給する。これら2機種は、「偵察・監視ロボット」(飛行型および走行型2機種)および「指令システム」との組み合わせで「消防ロボットシステム」を構成。専用の運搬車両1台に搭載されて現場に移動できる設計になっている。

消防ロボットシステムは、消防庁消防大学校消防研究センターが2014年度から5年計画で進めている「エネルギー・産業基盤災害対応のための消防ロボットシステムの研究開発」プロジェクトに、三菱重工が参画して開発を手掛けてきたもの。3月22日、消防庁消防大学校消防研究センター(東京都調布市)にて、完成した実戦配備型ロボットの実演公開を行った。

三菱重工の2機種は、高い走破性を持つ農業用小型バギーを改造した専用車体に、GPSやレーザーセンサーを搭載し自律制御可能な移動台車としたもの。互いを消防用ホースで接続した状態で自動運転により火元へ向けて走行する高度な技術を搭載している。

火元到着後は放水砲ロボットをその場に残し、ホース延長ロボットがポンプ車や消火栓等の水源までホースを地面に敷設しながら走行。ホースは内径150mmの硬くて重い消防用ホースで、最長300m搭載可能。曲がり角を含む経路上へ適切に敷設できるよう、ロボットの走行に合わせて自動でホースの送り出しと巻き取りを行う。

放水砲ロボットは、全長2170×全幅1460×全高2070mmの四輪駆動機。RTK-GPS、LiDAR、IMU、オドメトリなど各種センサーを搭載し、時速7.2kmで、地図上の指定位置まで自律走行。放水または泡放射を行う放水砲を備え、1.0MPaの圧力で1分間に4000リットルの放水が可能だ。