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プロジェクトは実証段階、トヨタ『ハイラックス』の燃料電池車…最新プロトタイプ発表
トヨタ自動車は6月7日、ピックアップトラック『ハイラックス』がベースの水素燃料電池車、「ハイラックスFCEV」の最新プロトタイプを欧州で発表した。
このプロジェクトは現在、最終ステップの実証段階に進んだ。これはトヨタがゼロカーボン未来に向けた一歩を示す重要なマイルストーンになるという。
2023年9月に最初のプロトタイプ車両が公開されて以来、トヨタとそのパートナーは、英国政府の資金援助を受けて集中的な評価と実証段階に入った。この共同開発プロジェクトの最新の進展は、トヨタのカーボンニュートラルに向けた多様な戦略をさらに示している。トヨタは、ハイブリッド車、プラグインハイブリッド車、EV、燃料電池車、e-燃料といった異なる動力源を、ユーザーのニーズや地域のインフラに応じて適用している。
現在、トヨタモーターマニュファクチャリングUK(TMUK)のダービー工場で10台のプロトタイプが製造されている。そのうち5台は安全性、性能、機能性、耐久性を評価するための厳格なフィールドテストを受けており、実際の走行データを収集している。さらに5台は顧客やメディア向けのデモンストレーションに使用され、2024年のパリオリンピック・パラリンピックでも展示される予定。これにより、トヨタは将来の水素輸送の成功に向けた基盤を築いている。
トヨタは30年以上にわたる水素燃料電池の研究開発を行っており、このプロジェクトから得られたノウハウは次世代の燃料電池技術に生かされる。これにより、車両の寿命が延び、航続が増加し、コストが削減される見込みだ。
トヨタは2030年までに欧州が最大の水素燃料電池市場の一つになると予測しており、モビリティや発電用途での成長が期待されている。そのため、2023年12月にトヨタモーターヨーロッパ(TME)は「Hydrogen Factory Europe」を発表し、開発から生産、販売、アフターサービスまでの一貫した商業化アプローチを示した。
このプロトタイププロジェクトは、水素技術のさらなる発展と欧州全体での水素システムとインフラの普及を促進する重要なステップだ。動力はトヨタ『ミライ』の技術を使用しており、600kmの航続を実現している。水素は3つの高圧燃料タンクに7.8kg搭載され、燃料電池スタックは330セルを含み、後輪駆動で最大出力182hpと、最大トルク300Nmを発揮する。走行中に排出されるのは水のみだ。
リチウムイオンハイブリッドバッテリーは、燃料電池が生成した電力を蓄え、キャビンスペースを損なわないように後部荷台に配置されている。