注目の自動車ニュース
メルセデスベンツ Vクラス 改良新型、受注を欧州で開始…3万9631ユーロから
メルセデスベンツは3月4日、改良新型『Vクラス』(Mercedes-Benz V-Class)の受注を欧州で開始した。ドイツ本国でのベース価格は、3万9631ユーロ(約503万円)と発表されている。
初代Vクラスは、1998年に誕生した。商用車の『ヴィトー』をベースに開発されたMPVで、広い室内空間を備えていた。2004年には、2世代目にモデルチェンジ。新たに『ビアノ』を名乗った。2006年のマイナーチェンジを機に、日本国内での車名は、Vクラスに回帰。2014年1月に発表された現行型は3世代目モデルで、欧州でもビアノの名前を廃し、Vクラスとして登場した。現行Vクラスは日本市場にも、2016年1月に導入。その現行Vクラスが今回、デビューから5年が経過し、初の本格改良を受けている。
◆トルクフルな2.0直4ターボディーゼルは2種類の出力特性
欧州仕様では、新開発の「OM654」型ディーゼルエンジンのみを搭載する。直噴2.0リットル(排気量1951cc)直列4気筒ターボディーゼルエンジンは、改良新型Vクラスでは、2種類の出力特性が用意される。「V250d」グレードは、最大出力190hp、最大トルク44.9kgmを発生し、0~100km/h加速9.5秒、最高速205km/hの性能を発揮する。
「V300d」グレードは、最大出力239hp、最大トルク51kgmを発生。「オーバートルク」モードでは、最大トルクが54kgmに引き上げられる。0~100km/h加速は7.9秒、最高速は220km/hの性能だ。全車のトランスミッションは、従来の7速から進化した9速AT「9G-トロニック」を組み合わせる。2WD(後輪駆動)が標準で、4WDの「4MATIC」も用意される。環境性能は最も優れる仕様で、複合モード燃費が17km/リットル、CO2排出量が154g/km。排出ガス性能は、ユーロ6を満たす。メルセデスベンツはV250dグレードの場合、燃費は従来モデルに対して、およそ13%引き上げている。
◆内外装をリニューアル。フロントマスクは新デザインに
改良新型Vクラスのエクステリアは、フロントマスクを中心に変更された。開口部を大きく取った新デザインのフロントバンパーを装着する。ヘッドライトは、最新のLED仕様になった。「AMGライン」では、フロントグリルがダイヤモンドパターンとなる。
テールランプにも最新のLEDテクノロジーを組み込んだ。4種類用意されるホイールのデザインも変更している。ボディカラーには、グラファイトグレーメタリックやセレナイトグレーメタリックなどの新色をラインナップした。オプションで、スチールブルーが設定される。
インテリアは、ダッシュボードの丸い空調ダクトを、他のメルセデスベンツ車と同じタービンデザインに変更した。スイッチ類も変更を受けている。シートの素材も見直しており、ブラックやシルクベージュのルガーノレザー、ナッパレザーを使用した合計6種類のインテリアトリムが用意される。
トリムパネルは仕様によって、ピアノラッカー、エボニーウッド、カーボンファイバー、ブラッシュドアルミとなる。セグメント最大サイズのパノラマルーフも用意される。2列目シートでは、最上級サルーンの『Sクラス』同様、マッサージ機能や空調機能を選択することができる。セパレートシートの間には、折りたたみ式テーブルを装備することも可能。ベンチシートは2シーターと3シーターが選べる。シートは脱着式で、荷物スペースを拡大できる。
◆クロスウインドアシストなど最新の先進運転支援システムを搭載
改良新型Vクラスには、最新の先進運転支援システムが採用される。標準装備の「クロスウインドアシスト」は、高速道路などで横風が強い場合でも、ドライバーがVクラスの直進性を維持できるよう支援を行う。新しい「アクティブブレーキアシスト」は、前方を走行する車両との衝突の危険性を検知し、警告ランプや音で警告を発する。ドライバーが反応すると、アクティブブレーキアシストは状況に応じてブレーキ力を高める。ドライバーが反応しない場合、システムは自動でブレーキをかける。
都市部では、アクティブブレーキアシストは障害物や歩行者を検知する。オプションで、Vクラスで初めての「ハイビームアシストプラス」を設定した。メインビームモードでは、他車のドライバーや歩行者を眩惑させることなく、道路を明るく照らすことができる。