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テスラ、200万台をリコール…運転支援機能の誤使用防止が不充分
米国運輸省道路交通安全局(NHTSA)は12月12日付で、電気自動車メーカーのテスラの『モデルS』、『モデルX』、『モデル3』、『モデルY』のリコールを発表した。これらの車の運転支援機能「オートステア」が、誤使用の防止について充分でない可能性があるという。
影響を受ける可能性のある台数は203万1220台。モデルS(2012~23年型)、モデルX 2016~23年型)、モデル3(2017~23年型)、モデルY(2020~23年型)。テスラは、OTA(Over-the-Air)ソフトウェア・アップデートを無償でリリースする。
NHTSAによると、オートステアが作動している特定の状況において、ドライバーが、必要に応じて車両の運転に介入する準備ができていなかったり、オートステアが解除されたことや作動していないことを認識できなかったりすると、衝突事故のリスクが高まる可能性がある。
●運転支援機能
オートステアはSAE「レベル2」の先進運転支援機能であり、特定の条件下でドライバーのステアリング操作、ブレーキ操作、加速を支援する。ただしオートステアが作動していても、ドライバーは車両のオペレーターだ。NHTSAでは、ドライバーは常にステアリング・ホイールに手を置き、車両の動きに責任を持ち、周囲の道路状況に注意を払い、安全な運転を維持するために必要に応じて介入(ステアリング、ブレーキ、アクセル、ストークの操作など)する必要がある、とする。
オートステアは、ドライバーが車両の運転に責任をもって従事していることも監視する。もしドライバーが、オートステアを作動させる条件が満たされていないときに作動させようとした場合、オートステアは使用不可能であることを警告し、作動しない。同様にドライバーが、オートステアの機能が制限または状況が悪化している可能性がある状況でオートステアを操作した場合も、警告し、速度を制限し、さらにドライバーに直ちに介入するよう指示することができる。
●安全リスク
しかしながらNHTSAは、オートステアの制御が、SAEレベル2運転支援の誤使用を防止するのに充分でない場合がある、と判断した。
オートステアが作動していても、ドライバーが、車両操作に対する継続的かつ持続的な責任を維持できないときや、運転に手動で介入する準備が整っていないときに、さらにドライバーが、オートステアがキャンセルされていること、作動していないこと、機能が制限される可能性があることを認識できない場合、衝突のリスクが高まる可能性があるという。
●救済プログラム
改善策では、すでに搭載されている制御・警告に加え、オートステアが作動しているときは常にハンドルから手を離さず車道に注意を払うなど、継続的な運転責任を順守するようドライバーに促す制御および警告が組み込まれる。
特に、ユーザーインターフェースとして視覚的警告を目立たせること、オートステアの作動と解除を簡素化すること、オートステアを作動させる際および交通規制に近づく際に追加のチェックを行なうこと、オートステアが作動している間、ドライバーが運転操作を示さない場合、オートステアの使用を停止することなどが含まれる。
テスラは、OTA(Over-the-Air)ソフトウェア・アップデートを無償でリリースする。