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BMW『iX3』後継モデルは「サメ顔」!? ノイエ・クラッセ初採用のSUVに
BMWが打ち出した新コンセプト「ノイエ・クラッセ」。これを採用した新世代の電動クロスオーバーSUV『iX3』の開発が進められている。スクープしたプロトタイプは厳重はカモフラージュが施されているものの、その表情が見えてきた。
電気自動車専用プラットフォームとなる「ノイエ・クラッセ」は、ドイツ語で「新しいクラス」を意味する。1962年から1972年まで販売され、大成功を収めたセダンとクーペのラインナップにちなんで名付けられた。この次世代プラットフォームは、前輪駆動、後輪駆動、全輪駆動構成に加え、さまざまなホイールベース、トレッド幅、最低地上高に対応する懐の深さがあり、幅広いモデルに採用されることになる。BMWの現在のEVプラットフォームと比較して、エネルギー密度が20%向上、充電速度が30%向上し、生産コストは最大50%削減できるという。これは、第6世代のBMW「eDriveテクノロジー」のデビューを意味する。
iX3後継モデルは、このノイエ・クラッセをベースに構築された最初のSUVであり、最初の市販モデルとなる。1年後には4ドア・サルーンの『i3』が続くとみられる。
◆まるで「サメ顔」? 気になるフロントマスクのデザインは
雪の降るドイツ・ミュンヘン郊外の田園地帯で捉えたプロトタイプは、コンポーネントのほとんどがプレースホルダー(仮パーツ)のため、ディテールは不明だ。特別開発されたEVプラットフォームであることを考慮すると、オーバーハングが大幅に短縮され、室内空間の拡大を図ると思われたが、極端なディメンジョンの変更はなさそうだ。
フロントエンドは、中央のカモフラージュ部分の下に隠された、伝統的なBMWキドニーグリルが2つ取り付けられているようだが、これが本当に量産車に採用されるのか、我々の目を欺くものであるのかは不明だ。さまざまな角度から検証すると、周囲の膨らんだ輪郭のようなものが確認できる。近年のグリルサイズとは全く異なっており、1980年代の象徴的なE30型『3シリーズ』を彷彿とさせる。
キドニーグリルは、長年にわたって形状やサイズが変化しながらも、90年間にわたって、ほとんどのBMW車(すべてではない)に何らかの形でフロントに取り付けられていた。しかし、これまで登場してきたさまざまなノイエ・クラッセのコンセプトカー(小型のiビジョンサーキュラー、iビジョンディー、そして最新のビジョン ノイエ・クラッセ)では、ヘッドライトを含むフロントマスク全体をキドニーグリルの意匠としていた。これは1960年代から1990年代にかけてBMWセダンに取り付けられ、ヘッドライトを収容していた全幅パネルからヒントを得ているようだ。
プロトタイプでは、独立したグリルを備えているように見えるが、その表情はまるでサメのようだ。
足回りをチェックすると、ブルーのブレーキキャリパーを備えた、大きなツートンカラーのホイールに巨大な255/45 R20タイヤを装着していることからも、スポーツパッケージまたはMパフォーマンスバージョンをテストしている可能性がありそうだ。
プロトタイプの内部を覗くことは出来なかったが、ヴィジョン・ノイエ・クラッセでは、従来のほとんどのコントロールを排除したミニマルなインテリアを持っていた。そこには、ダッシュボードと同じ幅の巨大なヘッドアップディスプレイはあったものの、ドライバーズディスプレイすらなかった。また第10世代iDriveのインフォテインメントシステムとして機能する大型のタブレット型タッチスクリーンもあったが、iX3後継モデルでは、かなり近いレイアウトが期待出来るという。
コードネーム「NA5」と呼ばれるこの電動SUVは、現行のiX3のように中国で生産されることはない。代わりに、ハンガリーのデブレツェンにある新工場で生産され、2025年後半に欧州で発売される予定となっている。
初期バージョンのグレード展開は「40」、「40 xDrive」、「50 xDrive」、「M60 xDrive」であると噂されており、「M」バージョンとなる「ZA5」は、ライフサイクルの後半に登場すると言われている。