注目の自動車ニュース
悪天候対応の車載向けセンシング技術、三菱電機が開発
三菱電機は2月13日、濃霧や豪雨などでも車両周辺の状況を高い精度で検知できる「悪天候に対応可能な車載向けセンシング技術」を開発した。
近年、運転支援システムや自動運転技術の開発が進む中、車載センサーの検知精度の向上が求められている。しかし、従来の技術では電波やレーザーの透過性やカメラの視認性が落ちる豪雨や濃霧といった悪天候時には、正常に作動しない場合が多く、課題となっていた。
三菱電機が開発した悪天候に対応可能な車載向けセンシング技術では、複数のセンサーがそれぞれ検出した速度・車幅・向き・距離などの時系列データを瞬時に分析し、センサーごとの特性を基に、天候などにより変化する情報の信頼度を推定。信頼度が高い情報を選択・統合することで、悪天候でも高い検知精度を維持し、自動運転やAEB(衝突被害軽減ブレーキ)などの運転支援システムが使用できるようにした。
また、実車を用いた実証実験では、雨量毎時80mmの状況下で最大時速40kmの走行でもAEBが作動し、障害物との衝突回避が可能であることを実証した。また、霧・視程15mの場合には、時速10~15kmの走行で作動することを実証。降雨条件下では夜間を想定したAEBの作動を確認している。さらに、カメラなどの検知精度に大きく影響する逆光条件でも、時速10~40kmでの作動を確認している。
新技術により自動運転や運転支援システムの作動環境が拡大し、車載センサーの検知精度が著しく低下する悪天候時でも、安定的に作動することが期待できる。