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プジョーの商用EV、『Eパートナー』に改良新型…航続330kmに拡大
プジョー(Peugeot)は10月23日、商用EVの『パートナー』の改良新型を欧州で発表した。EVパワートレインの改良により、航続は最大330kmと、従来よりもおよそ18%向上している。
◆リフターの装備を簡素化し後部に広大な荷室を設けたのがパートナー
パートナーは、プジョーの主力LCV(小型商用車)のひとつ。現行パートナーは2018年にデビュー。およそ10年ぶりのモデルチェンジを受けて、3世代目となる現行パートナーが登場した。
現行パートナーは、日本市場にも導入されているプジョーの小型MPV、『リフター』の商用バージョンになる。リフターの装備を簡素化し、後部に広大な荷室を設けたのがパートナーだ。
改良新型パートナーでは、欧州ではEVバージョンの『Eパートナー』をラインナップする。これは、プジョーの電動化戦略に沿ったものだ。プジョーは2025年までに、全ラインナップに電動化モデルを用意し、2030年までに欧州で100%電動化ブランドになることを目指している。
◆プジョーのエンブレムをあしらった新しいフロントグリル
改良新型Eパートナーは、フロントマスクを一新した。プジョーのエンブレムを中央にあしらった新しいフロントグリルをはじめ、ブランドのアイコンの3本爪のヘッドランプを採用した。フロントバンパーのデザインも新しい。
新しいアルミホイールは、センターキャップに新しいプジョーエンブレムを配した。ボディカラーは全4色を用意した。Artense Grey、Kaolin White、Perla Nera Black、Kiama Blueから選択できる。
あらゆるプロフェッショナルのニーズに応えるため、改良新型には2つのボディサイズが用意されている: スタンダードバンの全長は4400mmで乗車定員は3名。全長4750mmのロングバンは、乗車定員が3名または5名とした。
◆最新の「PEUGEOT i-Cockpit」
室内には、人間工学に基づいた新しいダッシュボードが採用された。最新の「PEUGEOT i-Cockpit」は、ダッシュボード中央に10インチの高解像度タッチスクリーンを配置した。従来の8インチに対して、大型化されている。ステアリングホイールには、オーディオシステム、クルーズコントロール、回生ブレーキのレベル切り替えのパドルコントロールが装備された。シートには、耐久性に優れる新しいファブリックを採用している。
10インチの高解像度タッチスクリーンを通じて、オーディオシステムと「TOM TOM」の3Dコネクテッドナビゲーションをコントロールする。自然な言語で主要機能を操作できる音声アシスタント「OK PEUGEOT」も装備された。このインターフェースにより、最新世代のPEUGEOT i-Connectや「PEUGEOT i-Connect Advanced」インフォテインメントシステムを操作することができる。
Apple 「Car Play」やグーグル「Android Auto」への接続はワイヤレスに。これにより、スマートフォンのプラグを接続することなく、スマートフォンのコンテンツをセンタースクリーンに映し出すことができる。スマートフォンのワイヤレス充電器は、センターコンソールに設置された。2つのUSBソケットも装備されている。
◆急速充電ではバッテリーの8割を30分で充電可能
EVパワートレインのモーターは、最大出力136hp、最大トルク27.5kgmを発生する。走行モードは3種類で、ノーマル、エコ、パワーが切り替えられる。0~100km/h加速は11.2秒で、最高速は130kmhとした。
バッテリーはリチウムイオンで、蓄電容量は50kWhとした。EVパワートレインの改良により、1回の充電での航続は、従来の最大280kmから最大330km(いずれもWLTPサイクル)に拡大した。航続を最大化するために、ブレーキや減速中のエネルギーを回収し、バッテリーに蓄える。センターコンソールの「B」ボタンを押せば、回生ブレーキが強めに作動する。バッテリーは、車両のフロア下にレイアウトされており、荷室の積載性に影響を与えないという。
シンプルな標準ソケットによる充電から、バッテリーの80%を30分で充電できる急速充電まで、3つの充電方式が導入される。自宅での充電は、8Aソケットまたは16Aソケットに対応しており、フル充電に15~31時間かかる。急速充電には、出力7.4~11kWのウォールボックス急速充電ユニットが用意される。フル充電に要する時間は、単相7.4kWウォールボックスで7時間30分、三相11kWウォールボックスで5時間となる。最大出力100kWの充電ステーションで急速充電が行える。蓄電容量50kWhバッテリーの8割を、30分で充電できる、としている。