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富士山麓で自動運転EVバス—持続可能な地域公共交通 10月から

  • 《写真提供 BOLDLY》
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  • 《画像提供 ボードリー》

ソフトバンクグループの自動運転サービス会社のボードリーは、山梨県の富士山麓で、持続可能なまちづくりと地域公共交通の実現に向けて、デジタル技術を組み合わせた自動運転電気バス(EVバス)を10月21日から運行する。

少子高齢化や運転士不足、訪日外国人観光客の急増など、地域公共交通に関するさまざまな課題解決を図ることが目的。自動運転レベル4(条件付き完全自動運転)を見据えた取り組みとして、山梨県富士吉田市内の公道「富士みち」で、山梨県内初となる自動運転EVバスを実証運行する。

実証では、遠隔監視員と乗務員(オペレーター)を配置して自動運転レベル2(高度な運転支援)で自動運転EVバスを運行する。自動運転EVバス運行での経営面や技術面、社会受容性を検証する。2025年度にレベル4自動運転移動サービスの社会実装を目指す。

自動運転の社会実装に向けて、デジタル技術を組み合わせた新たな地域公共交通のあり方を検証するため、富士吉田市民の乗車予約にLINEを活用する。自動運転EVバス運行による経済波及効果を検証するため、乗車した人に、商店街の協賛店舗で特典を受けられるデジタルクーポンを付与する。

運行は11月10日まで。ルートは「富士急行線下吉田駅(新倉山浅間公園)」から、世界文化遺産「富士山」の構成資産の1つである「旧外川家住宅」までの約2.1kmの区間。このルートは「富士山」に向かってのびる「富士みち」と呼ばれ、ルート周辺は主に「商店街エリア」「富士山駅エリア」「世界遺産構成資産エリア」の3つに分かれている。これらのエリアは、地域住民の生活インフラの集積拠点で、訪日外国人観光客の観光・消費面においても重要なエリアとなっている。

自動運転EVバスの運行は、訪日観光の2次交通手段として、地域の回遊性向上や地域経済への波及効果も期待している。