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光岡 ビュートストーリー がハッチバックになった理由…青木デザイナー「令和風に変化」だが

  • 《写真撮影 小松哲也》
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【光岡 ビュートストーリー 発表】光岡自動車は9月21日、主力モデル『ビュート』の後継となる『ビュートストーリー』を発表した。ビュートは先代までベース車両に日産自動車『マーチ』を採用していたが、4代目はトヨタ自動車『ヤリス』をベースとしたハッチバックスタイルに生まれ変わった。

光岡自動車の青木孝憲デザイナーは同日都内で開いた発表会で「(先代までの)セダンタイプは非常にお客様からの評判も良く、クラシカルカーとしての確固たるポジションを築いてきたが、令和の時代になってまず商品コンセプトを新しくしたかったことや、ビュートが4代目、30年めになるのでお客様自身の価値観が若返ってきている、変わってきているということに合わせていくと、新しいビュートとしての形を模索した時に、使い勝手とか、よりコンパクトとか、見た目の若々しさというところでハッチバックに踏み切った」と、スタイル変更の経緯を明かした。

ボディスタイルだけでなく、フロントフェイスも令和風に変化した。「これまでのビュートはクルマを上から見た時に、フロントマスクの先端、鼻の部分からフェンダーの先端、頬っぺたの部分がほぼ同じラインにあった。上から見ると本当にスクエアなシルエット、これがクラシカルカーたるシルエットだったが、ビュートストーリーはまず鼻の先から頬っぺたの位置を後方に下げて、人間でいうと丁度リフトアップするようなことをした。それだけでぱっと明るく若返った表情になっている」と青木デザイナーは解説する。

さらに「丸くて特徴のあるヘッドライトは、ようやくLEDになった。そしてヘッドランプリングもこれまでのビュートの1.5倍くらい大きくした。それによってぱっちりお目め、きらきらっと可愛い瞳になった」とも。

さらに造り方にも変えたと青木デザイナーは明かす。「これまではほとんどのボディパネル部品を手造りで、FRPで造っていたが、プレス金型を使ったものや射出樹脂成型のものに一部を切り替えた」という。

具体的には「ボンネットはFRPから鉄板になった。それからリアの意匠部品についてもすべて樹脂の射出成型で行った。これまでは手造りでFRPでやってきた流れはあるが、より高品質なモノでお客様に満足頂けるようにということで変えた」と青木デザイナーは説明。

その一方で「フロントフェイス部分はFRPの手造りにこだわっている。理由は1点、顔に傷を入れたくなかった。プレス金型や樹脂の射出成型を使うと必ず部品と部品の嵌合部分に線ができる。コンマ5mmとか、1mmくらいの隙間だが、それでもつるっとした顔に傷は絶対入れたくなかった。そこはFRPにこだわって造っている」とも強調した。

ビュートストーリーの価格は308万円から429万円となっている。ちなみに光岡自動車では、3代目ビュートのベース車両であるK13型マーチの中古車を使って架装するビュートのセダンモデルを『メイクアップビュート』として製造、販売を継続するとしている。