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ポルシェ 911 の60周年記念車、軽量仕様『S/T』に「ヘリテージデザインパッケージ」…IAAモビリティ2023
ポルシェ(Porsche)は9月5日、2ドアスポーツカー『911』の60周年記念モデルとして「911 S/T」の「ヘリテージデザインパッケージ」を、「IAAモビリティ2023」で初公開した。
◆車両重量は1380kgと現行911としては最軽量
911 S/Tは、初代『911 S(ST)』のスピリットを、ポルシェ911の最新モデルに表現したモデルだ。世界限定1963台を生産し、1963年に登場した911の60周年を祝福する。このアニバーサリーモデルは、『911 GT3 RS』のパワートレインに、『911 GT3』の「ツーリングパッケージ」仕様のボディを組み合わせ、911 S/Tのために特別に開発された軽量コンポーネントを採用している。
911 S/Tは、フロントボンネット、ルーフ、フロントウイング、ドア、ロールケージ、リアアクスルのアンチロールバーなどを、軽量なカーボンファイバー強化プラスチック(CFRP)製とした。また、マグネシウムホイール、カーボンセラミックブレーキの「PCCB」システム、リチウムイオンスターターバッテリー、軽量ガラスを標準装備する。断熱材の削減、リアアクスルステアリングの省略、パワートレインの軽量化により、911 S/Tの車両重量は1380kgに抑えられた。「992」世代の911としては、最も軽量なモデルになる。
911 S/Tには、『911 GT3 RS』用の自然吸気4.0リットル水平対向6気筒ガソリンエンジン(最大出力525hp)に、ショートレシオの6速MTを組み合わせる。ポルシェは、911 S/T専用に新しい軽量クラッチを開発した。シングルマスフライホイールとの組み合わせにより、回転マスの重量を10.5kg削減。これにより、自然吸気ボクサーエンジンのレスポンスが向上しているという。911 S/Tの動力性能は、0~100km/h加速が3.7秒、最高速は300km/hに到達する。
◆軽量設計のスポーツエグゾーストシステム
911 S/Tには、軽量設計のスポーツエグゾーストシステムを標準装備した。また、911 S/Tは、ダブルウィッシュボーン式フロントアクスルとリアアクスルステアリングなしのマルチリンク式リアアクスルを組み合わせる唯一の現行世代911だ。ダンパーとコントロールシステムも、それに合わせて調整されている。
911 S/Tのエアロダイナミクスも、サーキットではなく公道向けに最適化されている。標準装備には、展開式リアスポイラーのガーニーフラップ、フロント20インチ、リア21インチの軽量センターロック式マグネシウムホイールも含まれている。
一方で、高性能な255/35ZR20タイヤが、車両のフロントで高レベルのメカニカルグリップを確保する。リアには315/30ZR21タイヤが装着された。CFRP製フルバケットシートを標準装備。4ウェイの調節機能付きスポーツシートプラスも選択できる。インストルメントクラスターとスポーツクロノパッケージの時計は、クラシックなグリーンのポルシェカラーで仕上げられている。
◆ドアには0から99までのスターティングナンバー
911 S/Tには、オプションとして、専用のヘリテージデザインパッケージが用意されている。新しいエクステリアカラーのショアブルーメタリックに、セラミカ塗装のアルミホイールを組み合わせた。ドアには、0から99までのスターティングナンバーと、デコレイティブホイールセンターキャップを取り付けることができる。
フロント、ハブキャップ、ステアリングホイール、ヘッドレスト、車両キーには、初代911のクラシックなデザインのポルシェクレストがあしらわれた。車両リアのPorscheロゴと911 S/Tのモデルロゴは、ゴールドで仕上げている。
インテリアには、クラシックコニャックにブラックのピンストライプを配した布製シートセンターが採用された。これは、伝統に敬意を払ったデザインだ。ブラック/クラシックコニャックのセミアニリンレザートリムとエクステンデッドレザー仕上げ、パンチング加工が施された「Race-Tex」のルーフライニング、「ポルシェエクスルーシブマニュファクチャー」のその他の装備も、ヘリテージデザインパッケージに含まれている。