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メルセデスベンツ『GLC』新型に「AMG 43」…F1譲りの421馬力電動ターボ搭載
メルセデスベンツは8月3日、SUVの『GLC』新型の高性能モデル、メルセデスAMG『GLC 43 4MATIC』(Mercedes-AMG GLC 43 4MATIC)新型の受注を欧州で開始した。ドイツ本国でのベース価格は、8万6870ユーロ(約1380万円)と発表されている。
◆電動ターボはメルセデスAMGとギャレット・モーション社が共同開発
メルセデスAMGは電動化に向けて舵を切っており、その一部として、いくつかの効率の高いドライビングダイナミクス技術を組み合わせている。この組み合わせを最適な効果で実現するために、メルセデスAMGのエンジニアは、パフォーマンスを新しいレベルに引き上げる革新的なテクノロジーの開発に集中的に取り組んでいる。
メルセデスAMGは、新たな技術の開発を通じて電動化を推進している。その一環として、モータースポーツから得られたノウハウを取り入れている。その最新の成果のひとつが、電動ターボチャージャーだ。
電動ターボチャージャーは、メルセデスAMGとターボを手がけるギャレット・モーション社との提携によって開発された。このテクノロジーは、F1から直接生まれたものだ。レスポンスに優れ、比較的低いピークパフォーマンスを実現する小型のターボチャージャーと、ターボラグがあるものの、高いピークパフォーマンスを備えた大型のターボチャージャーの間の相反する目標を解決するという。
◆電動ターボには厚さ約40mmの電気モーターを使用
電動ターボシステムのハイライトは、排気側のタービンホイールと外気側のコンプレッサーホイールの間のチャージャーシャフトに組み込まれている厚さ約40mmの電気モーターだ。この電気モーターは、タービンが排ガスの流れに反応する前に、コンプレッサーホイールを駆動する。ターボチャージャーの電動化により、アイドリング領域からのレスポンスと、エンジン回転数全域でのレスポンスが大幅に向上するという。
既存のターボチャージャーの課題のターボラグは、この電気モーターによって解消される。その結果、エンジンはアクセルペダルの入力に対して、さらに反応が良くなり、運転フィール全体が大幅にダイナミックで俊敏になるという。
さらに、ターボチャージャーの電動化により、低エンジン回転数で、より高いトルクが得られる。これにより、俊敏性が高まり、停止状態からの加速性能が向上する。ドライバーがアクセルペダルから足を離したり、ブレーキをかけたりした場合でも、電動ターボチャージャー技術によりブースト圧を維持できるため、常にダイレクトなレスポンスが可能になる。
◆2.0リットル直4エンジンに48Vマイルドハイブリッド
メルセデスAMG GLC 43 4MATIC 新型には、新開発の電動ターボを組み込んだ直噴2.0リットル直列4気筒ガソリンエンジンを搭載する。電動ターボチャージャーは最大17万5000rpmの速度で回り、高速で空気の流れを作り出す。電動ターボチャージャーは、48Vの電気システムによって作動する。
ターボチャージャー、電気モーター、パワーエレクトロニクスは、エンジンの冷却システムに接続されており、常に最適な温度環境を作り出す。メルセデスAMGによると、効率とパフォーマンスを向上させるF1譲りの電動ターボチャージャーが、パワートレインの電動化に向けた革新的なソリューションになるという。
最大出力は421hp/6750rpm、最大トルクは51kgm/5000rpmを発生する。48ボルトのマイルドハイブリッドとして機能するベルト駆動のスタータージェネレーター「RSG」のモーターが、14hpのパワーを引き出し、加速時などにエンジンをアシストする。トランスミッションは9速の「AMGスピードシフトMCT 9G」、駆動方式は4WDの「4MATIC」だ。0~100km/h加速4.8秒、最高速250km/h(リミッター作動)の性能を可能にしている。