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【トヨタ ランドクルーザー250】無駄を削ぎ落とし質実剛健なオフローダーをめざす…森津チーフエンジニア

  • 《写真撮影 内田俊一》
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  • 《写真提供 トヨタ》
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  • 《写真提供 トヨタ》
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  • 《写真提供 トヨタ》
  • 《写真提供 トヨタ》
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トヨタは『ランドクルーザー250』(旧『ランドクルーザープラド』)のフルモデルチェンジを発表。2024年前半に販売を開始する。それに先立ち開発責任者から、この250についての説明がなされた。

◆ホイールベースはランクルの黄金比
「開発にあたり、ランドクルーザーの原点。即ちより多くの地域で、お客様の生活や実用を支えるために、そしてランドクルーザー全体のど真ん中に戻すためには、何を実現すればいいのかを考えた」と話すのは、ランドクルーザーシリーズ・チーフエンジニアの森津圭太氏だ。

そしてたどり着いた方向は、「まさに無駄を削ぎ落とし、質実剛健なオフローダーとして基本性能を追求すること。その上で扱いやすさを進化させた」という。

そして森津氏が開発においてこだわったのは大きく3つだった。1つ目はプラットフォームだ。「ランドクルーザーの哲学である、信頼性、耐久性、悪路走破性を継承し進化させ、お客様に、長く安全に使ってもらえるように、『ランドクルーザー300系』と同じGAFプラットフォームを採用することで悪路走破性を格段に向上させた」と話す。

また、ホイールベースは、「悪路走破性と居住性を両立する最適なランクルの黄金比ともいわれる2850mmとし、2列、3列目のカップルディスタンスや荷室を拡大した」と述べる。

その上で、扱いやすさにもこだわった。「各国の非常に厳しい衝突安全性の規制を満足させながら、従来型からフロントオーバーハングの短縮を実現。これを成し遂げるために、高剛性かつ軽量化を両立することができる非線形テーラードウェルドブランク(自動車ボディ部品の軽量化、高剛性化を図るために、板厚や材質の異なる鋼板をレーザー溶接にて1枚のパーツに接合する新溶接技術)という新しい溶接技術を用いることで、フロントのプラットフォームのフロント部分を刷新した」と説明。

同じくリアについても、300系と比較し、「テールエンドを前出しすることで扱いやすさ、取り回しを向上させた」と話す。

また、タイヤの全幅(トレッド)は、「意匠性、性能の向上、スタンス感の向上のため外に張り出したが、「お客様が気にされるドアミラーの最外端の全幅は、現行以下として扱いやすさを確保した」という。

◆電動パワーステアリングを初採用
2つ目は動的性能だ。「フロントサスペンションはハイマウントのダブルウィッシュボーン式、リアは伝統のリジットアクスルに4リング式を採用し、オフロードでのタイヤの接地性を従来型より格段に高めた」。

ブレーキは、「ユニットを刷新するとともにサイズを拡大。サスペンションのジオメトリーを見直すことにより、制動時の姿勢を改善し、どんな状態でも安定的にブレーキングできるようにした」と森津氏。

その上で新型は扱いやすさにこだわった。これまでの油圧式パワーステアリングから、ランクルブランド初となる電動パワーステアリングを採用したのだ。そうしながら、「トヨタ初となるSPM技術を採用」。これは、SDM(Stabilizer with Disconnection Mechanism トヨタブランド初採用)というもので、スイッチ操作で、フロントスタビライザーの効果をオン・オフできるもの。結果としてオフロードの悪路走破性と乗り心地、オンロードでの操縦安定性を両立するものだ。

◆日本にはガソリンとディーゼルを
最後は動力性能だ。森津氏は、「世界各国の厳しい規制、お客様のご要望に応えるために、ランドクルーザーらしい力強い走り、これと環境性能を高い次元で両立したランクルの初のハイグリッドシステムの導入。そして2.4リットルターボのエンジンを今回新規開発。これを含めて多様なパワートレーンで5つの組み合わせで今回新たに導入するという。なお日本にはこのうちディーゼルとガソリンの2種類が導入される。

森津氏は日本に導入されるディーゼルの1GDのエンジンについて、「従来型より本体自体は流用だが、ターボチャージャーを新規開発し、内部構造の小型化。かつ高効率化によりエンジン出力は維持しながら、アクセルを踏み込んだ時の高レスポンス化を実現」。これと新規導入の8ATを組み合わせることで、「オフロードから高速走行まで全域で加速度の高コントロール性を実現し、ディーゼルとしてのパワフルな走りと扱いやすさ、さらに運転の楽しさを、お客様に提供できるだろう」と語った。この1GD・FTVディーゼル2.8リットルターボの最高出力は204ps、最大トルク500Nmと発表された。