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三菱の新型SUVや新型アルファードに熱視線、インドネシア最大級のモーターショーが開幕
日本車のシェアが9割を超える、日本以上の「日本車大国」インドネシアの首都ジャカルタで10日、「GAIKINDOインドネシア国際オートショー(GIIAS)」が開幕した。三菱の新型SUVや、ダイハツのBEVなどが世界初公開されたほか、インドネシアならではのローカルな新型車が目白押しだ。
◆テーマは「FUTURE NOW」
GIIASは今年で30回目を迎えた。主催するGAIKINDO(インドネシア自動車協会)会長のヨハネス・ナンゴイ氏は、「今年のGIIASはGAIKINDOにとってマイルストーン。今後もGIIASの開催を通じて自動車業界の未来を示し続けていく」と語る。テーマは「FUTURE NOW」。2030年までに国内で電気自動車を60万台生産するというインドネシア政府の目標に向けて、来るべき電動化社会の姿を提案する。
今回のショーでは圧倒的なシェアを誇るトヨタ、ダイハツをはじめ、レクサス、三菱、スズキ、ホンダ、マツダ、スバルと日本メーカーが軒を連ねる。日本勢に負けじと、韓国ヒョンデや、中国勢もインドネシア向けの新型車を投入し攻勢をかける。
◆日本メーカーの現地向け新型車が目白押し
世界初公開で注目されたのは、三菱の新型SUV『エクスフォース(X FORCE)』。アセアン地域でのコンパクトSUVの使われ方にこだわって開発した5人乗りのコンパクトSUVで、広い室内空間と本格的なSUV性能が売りだ。またダイハツは小型商用車『グランマックス バン』をベースとした小型商用バンBEVのコンセプトカー『VIZION-F』を公開。輸送におけるカーボンニュートラル化を見据え、インドネシアに最適な電動化の可能性を提案する。
トヨタは、日本でも発売されたばかりの『アルファード』を現地初公開。日本以上の高価格車ながらもともとショーファー需要が高いこともあり、「憧れの高級車」として来場者の注目を集めた。レクサスも車体を共有する『LM』を初公開し、ミニバンながら4人乗り、前席との間には48インチの大型ワイドディスプレイが装備されるという贅沢な室内に来場者からはため息が漏れた。
◆商用車、バイク人気もインドネシアならでは
乗用車ショーでありながら、商用車メーカーやバイクメーカーによる出展も積極的だ。商用車ではトラック市場全体で約4割、市場の7割を占める小型セグメントでは5割強と圧倒的なシェアを誇る三菱ふそうは、現地販売会社のKTB社とともに電気小型トラック『eキャンター』を現地初公開したほか、キャンターの60周年を記念した限定モデル、キャンターをベースとした19人乗りのバス仕様など、新型車を揃え会場を賑わせた。
インドネシアの生活の足を支えるバイクは、年間500万台超の市場規模。ヤマハやカワサキなど日本メーカーのシェアがこちらも9割を超えるが、GIIASに出展した日本メーカーはホンダのみ。だが、ハーレーダビッドソンや、日本でも人気が高まりつつある英国のロイヤルエンフィールド、アプリリアやベスパのほか、現地の電動バイクブランドにヘルメットメーカーやカスタムブランドなどが軒を連ねた。
このほかにも日本では販売されていない日本メーカー車や、中国車などが数多く出展。日本のクルマ好きにとっても注目のショーとなっている。