注目の自動車ニュース
ランボルギーニ初のBEV、2028年に発表へ…2+2のグランドツアラー
ランボルギーニ(Lamborghini)は7月26日、ブランド初のEVを2028年に初公開すると発表した。2+2のグランドツアラーになるという。
◆電動化の未来「コル・タウリ」計画に沿って開発
ランボルギーニは2021年5月、2024年末までに全ラインアップを電動化することを柱とした「コル・タウリ(Cor Tauri)」計画を発表した。2028年に初公開される予定のブランド初のEVは、このコル・タウリ計画に沿って開発されている。
コル・タウリは、ランボルギーニが環境の持続可能性への道のりを示したものだ。ランボルギーニは将来の市販モデルにおいて、脱炭素化を目指していく。コル・タウリは、ラテン語で「雄牛の心臓」を意味しており、おうし座の中で最も明るい星を指している。コル・タウリは、電動化の未来というランボルギーニの方向性を示すとともに、ランボルギーニがブランドの心臓部とその魂に常に忠実であり続けることを表しているという。
ランボルギーニ車の電動化プロセスでは、ランボルギーニの伝統である最高のパフォーマンスとドライビングダイナミクスを保証できる技術ソリューションを見極めることに、常に焦点が当てられるという。
◆「ハイブリッドへの移行」期に登場したランボルギーニ初のPHEV『レヴエルト』
コル・タウリでは、3つの段階が設定されている。2021~22年の第1段階では、「内燃機関への賛辞」として、ランボルギーニブランドの輝かしい歴史や過去・現在を象徴する製品に敬意を表すモデルに搭載する内燃エンジンの開発を行う。ランボルギーニが2023年2月、自然吸気のV型12気筒ガソリンエンジンを搭載する最終モデルとして限定1台ずつを発表した『Invencibleクーペ』と 『Autenticaロードスター』が、これに当たる。
2024年末までの第2段階が、「ハイブリッドへの移行」だ。ランボルギーニは2023年3月、ハイブリッド(PHEV)パワートレインを搭載するランボルギーニ初のシリーズ量産モデルとして、V12PHEVスーパーカーの『レヴエルト』を発表した。
レヴエルトでは、ミッドシップの6.5リットルV型12気筒ガソリン自然吸気エンジンに、3基の電気モーターを組み合わせた。モーターのひとつは新開発の8速ダブルクラッチ・トランスミッションと一体設計されており、エンジンの後方に横向きに搭載される。名車『クンタッチ(カウンタック)』の時代から続くトランスミッショントンネルには、蓄電容量3.8kWhのリチウムイオンバッテリーをレイアウトした。V12エンジンと3基の電気モーターを組み合わせたPHEVシステム全体で、1015hpのパワーを引き出す。0~100km/h加速2.5秒、最高速350km/h以上のパフォーマンスを可能にしている。
◆「コル・タウリ」計画の第3段階で最初のEVが登場
そして2024年末までに、ランボルギーニの全ラインアップが電動化される予定。この段階では、2025年初めから、CO2排出量の50%削減を目指していく。ハイブリッドへの移行を推進するために、4年間で15億ユーロを上回る予算が割り当てられ、ランボルギーニ史上最大の投資になるという。
2026~30年の第3段階が、「初のフル電動ランボルギーニ」だ。一連の電動化プロセスの成果として、優れた性能を備え、『ウラカン』、『アヴェンタドール』、『ウルス』に続くランボルギーニの第4のモデルとなるブランド初のフルEVを発売することを目指していく。このフルEVは、パフォーマンスの面で、クラスのトップに位置づけることが目標という。
このランボルギーニブランド初のEVが、2028年に初公開される予定だ。2+2のグランドツアラーになる。SUVの『ウルス』を除けば、ランボルギーニにとって珍しい4シーター車になる。
◆電動化してもブランドのDNAは維持
ランボルギーニが推進するプログラムは、サステナビリティ戦略の全体的なビジョンに基づいている。製品をはじめ、生産ラインやオフィスを含めたイタリアのサンタアガタ・ボロニェーゼ本社を対象とする包括的なアプローチだ。質の高いパフォーマンスと優れたドライビングエクスペリエンスを重視した新技術の開発にも取り組んでいる。
なお、コル・タウリへの移行計画の指針が、現在世界で求められている最も差し迫ったエコロジーの選択に焦点を当てながらも、ブランドのDNAと、課題をチャンスに変えるランボルギーニの企業風土に根ざしていることに変わりはないという。