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【三菱 トライトン 新型】約12年ぶり、ピックアップトラックを日本市場へ投入 2024年初頭
三菱自動車は7月26日、1トンピックアップトラック『トライトン』を約9年ぶりにフルモデルチェンジし、タイ・バンコクで世界初披露した。
トライトン新型は同日よりタイで販売を開始。今後、アセアンやオセアニアから順次グローバルに展開するほか、日本市場へは約12年ぶりに投入する計画で、来年初頭の販売を予定している。
三菱自動車のピックアップトラックは1978年に発売以来、45年間で5世代にわたり約560万台を生産し、世界約150か国で販売してきた世界戦略車。6代目となったトライトン新型は「Power for Adventure」というコンセプトのもとで開発。内外装デザインからシャシー、ラダーフレーム、エンジンなどを一新した。トライトン新型は、2列シートのダブルキャブ、1列シートのシングルキャブ、フロントシート後ろに荷室スペースを設けることでリクライニングも可能なクラブキャブと、用途に応じた3タイプのボディを設定した。
◆強靭なラダーフレームに高効率クリーンディーゼルエンジン搭載
新開発となるラダーフレームは従来型から断面積を65%増やし、曲げ剛性40%、ねじり剛性60%の強化を実現。一方でハイテン鋼の採用比率を大幅に増やすことで、重量増を最小限に抑えた。これにより走行性能や乗り心地を向上させたほか、積載時の耐久性、衝突時のエネルギー分散性も向上するなど堅牢性を高めている。また、ボディも同様に新たに1180MPaのハイテン鋼を採用するなど、従来車に比べ軽量化を図っている。
新開発の4N16型クリーンディーゼルエンジンは、用途に応じた3種類の出力の異なる仕様を用意した。高出力仕様には新型ターボチャージャーと新燃焼システムを採用し、150kWの最高出力と470Nmの最大トルクを約1500rpmからフラットに発生し、実用域での応答性に優れたトルクフルな走行が可能になっている。標準仕様では最高出力135kW/最大トルク430Nmと、最高出力110kW/最大トルク330Nmの2仕様のエンジンを設定。いずれもタービン容量を可変制御するVGターボチャージャーを採用している。トランスミッションは従来車で好評のスポーツモード付き6速ATと、シフトレバーをワイヤー式とすることでエンジンから直接伝わる振動を低減して快適性を向上した6速MTを採用した。
◆あらゆる路面を走破する新開発4WDシステム
トライトン新型は走行中にダイヤル式のセレクターで簡単に4WDモードを変更可能。前40%、後60%に駆動力を配分し、トラクション性能とコーナリング性能を両立するトルク感応式LSDを備えた三菱自動車独自のスーパーセレクト4WD-IIと、イージーセレクト4WDを引き続き採用した。
スーパーセレクト4WD-II搭載車は後輪駆動の「2H」、フルタイム4WDの「4H」、センターディファレンシャル直結の「4HLc」、さらによりローギヤの「4LLc」の4種類が選択できる。ドライブモードは従来車のオフロード4モードから、オンロードも含めた7モードに増加。すべての4WDモードに設定している「ノーマル」モードをはじめ、2Hには経済性を重視した「エコ」、4Hに「グラベル(未舗装路)」と「スノー(氷雪路)」、4HLcにトラクション性能を引き出す「マッド(泥濘)」と「サンド(砂地)」、4LLcには「ロック(岩場)」モードを設定。あらゆる路面で最適なドライブモードを選択できる。一方、イージーセレクト4WD搭載車の4WDモードは後輪駆動の「2H」、センターディファレンシャル直結の「4H」、よりローギヤの「4L」が選べる。
スーパーセレクト4WD-II搭載車には新たにアクティブヨーコントロール[AYC]を採用。コーナー内側の前輪に弱くブレーキをかけることで旋回性を向上する。また、2WD/4WDモデルともにアクティブLSD(ブレーキ制御タイプ)を採用。空転している車輪にブレーキをかけて路面をグリップしている車輪に駆動トルクを分配することで、滑りやすい路面での安全性が向上するとともにスポーティな運転を楽しめる。また、カーブが連続するような道路で安定性を向上させるアクティブスタビリティ&トラクションコントロール[ASTC]を全車に標準装備。下り坂で一定のスピードを保持して安心して走行できるヒルディセントコントロール[HDC]、坂道発進でのずり落ちを防止するヒルスタートアシスト[HSA]などを引き続き採用している。
フロントサスペンションはダブルウィッシュボーン式を踏襲し、信頼性と耐久性を重視しながら新開発した。4WDおよび2WDのハイライダーのアッパーアーム取り付け部を上方に移動。ストロークを20mm増やして接地性・乗り心地を向上したハイマウントタイプとした。リヤサスペンションは強度を維持しながら軽量化したリーフスプリング式を採用。大径化されたショックアブソーバーとともに快適な乗り心地を実現した。
ボディを大型化する一方で最小回転半径の増加は最低限にとどめ、フードラインの見える見切りの良いボンネット形状によって運転しやすくしている。また、高出力仕様エンジン搭載車には、電動パワーステアリングを新たに採用。低速域ではアシスト量を増やすことでコントロールしやすさを追求、高速域では手応えを増やすことでドライバーに安心感を与える。また、路面からのキックバックを減らし、オフロードや牽引時を考慮してチューニングするなど、安全・快適性に配慮している。
◆デザインコンセプトは「BEAST MODE(勇猛果敢)」
エクステリアは、力強いパフォーマンスと、人とクルマを守る安心感を表現した「ダイナミックシールド」フロントデザインコンセプトを、力強く立体的なフロントグリルやフェンダーから繋がる力強い造形、それを強調するプロテクターで、ピックアップトラックに最適化。3連のL字型LEDランプを配したデイタイムランニングランプは猛禽類を思わせる眼光鋭い造形とし、その下に立体的な3眼プロジェクター式のヘッドライトを組み合わせることで、圧倒的な存在感と逞しさを感じさせるデザインとしている。
水平基調のボディサイドは、ドアの厚みを演出する張りのある大きな面で構成しながら、シャープに張り出したフェンダー造形とのコントラストで引き締め、より幅広く見せることで安定感と強靭さを強調。十分な荷台サイズを確保しながら、サイドから続く張りのある面を後端まで回している。両端にはT字型のテールランプを配しワイド感を強調するとともに厚みを持たせリヤ周りを逞しく演出。エアロダイナミクスを向上させたキャビン形状やリヤスポイラー、大型化して握りやすく耐久性を高めたドアハンドル、幅を広げて水はけを良くしたサイドステップなど、各所に機能的なデザインを採り入れ、実用性を大幅に高めている。
インテリアでは、走行時の車体姿勢の変化をつかみやすい水平基調で力強い造形の「HORIZONTAL AXIS(ホリゾンタル・アクシス)」コンセプトを進化させたインストルメントパネルを採用した。プロフェッショナルユースを意識し、乗員を保護するためにソフトパットを要所に採用し、実用性の高さを確保。デザイン面では、幾何学的な造形とメタリックを多用したハイコントラストでモダンな空間としている。モニターやメーター、コントラストをつけたスイッチ類は視認性にこだわり、セレクター、ダイヤル、スイッチ類は手袋をしたままでも確実に操作ができるよう程よい節度感を実現。ステアリングホイール、グリップ、ドアハンドル類は握り心地や逞しさを追求するなど「MITSUBISHI TOUCH(三菱タッチ)」という考え方に基づいてデザインした。
6AT車および6MT車のフロアコンソールには、大型カップが2つ収まるカップホルダーを設定し、コンソールボックスには600mlのペットボトルが4本収納可能。5MT車は形状を工夫し、カップホルダーとしてだけでなく、タブレットやファイルが置けるように工夫するなどプロユースを意識した作りとしている。グローブボックスやスマートフォンホルダーなどの小物入れは手袋をしたままでも操作しやすいよう余裕をもったサイズとし、電子機器の充電用としてインストルメントパネルとセンターコンソールにタイプAとタイプCのUSBを用意。インストルメントパネルセンター下部にはスマートフォンのワイヤレスチャージャーも装備した。
ボディカラーは従来車にはない、鮮やかさとメタリック感を強めたヤマブキオレンジメタリックと、輝度感を向上させたブレイドシルバーメタリックを新たに投入。高品質なベーシックカラーとしてホワイトダイヤモンド、ホワイトソリッド、グラファイトグレーメタリック、ジェットブラックマイカをラインアップしている。最上級グレードではフロントグリルをボディ同色に、ドアミラー、ダイナミックシールドガーニッシュ、ドアハンドル、バンパーなどをブラックに、フロント、サイド、リヤの各アンダーガードはダークチタニウムとした。また、ブラックのルーフレール、オーバーフェンダー、荷台にはスタイリングバーを装着することでより精悍さを増している。インテリアもメタリック加飾部分をブラック基調とすることで引き締め、オレンジのアクセントカラーを配置することで上質感と精悍さを加えている。
◆先進安全装備やコネクテッドサービスを強化
フロントシートは腰回りをしっかりサポートし、肩付近は動きやすく開放的な形状とし、ドライバーの疲労を軽減する。また、ヒップポイントを従来車に比べて20mmアップし、アップライトな乗車姿勢とすることで、室内からの視認性を向上した。このほか、Aピラーを立ててドア開口部を広げ、さらにサイドステップの幅を広げるとともに滑りにくい形状とすることで、乗降性を向上している。
三菱自動車セーフティセンシング[MMSS]では先行車の加速・減速・停止に追従走行し、設定した車間距離を保ちながら走行するレーダークルーズコントロールシステム[ACC]を新たに搭載。衝突被害軽減ブレーキシステム[FCM]、後側方車両検知警報システム(レーンチェンジアシスト機能付)[BSW / LCA]、後退時交差車両検知警報システム[RCTA]などを引き続き採用し、先進安全装備の強化を図った。
コネクティッドサービス「三菱コネクト」では、SOSエマージェンシーサービスを搭載。事故や故障時にボタンひとつでコールセンターに救助を依頼したり、エアバッグが展開した場合は自動的に通報したりすることで迅速な対処が可能となる。また、駐車位置をスマートフォンアプリの地図に表示させて自車位置を確認できるカーファインダーをはじめ、燃料の量やオイルの状態、ドライブ履歴などの確認に加え、リモート操作で乗車前にエアコンを作動させることや、ヘッドライトやホーンを操作することも可能。スマートフォンとの連携には電話回線を使用するので、電波受信できる範囲であれば遠く離れていても通信が可能だ。
メンテナンス性向上については、アンダーカバーの脱着なしにエンジンオイルの交換を行うことができるよう、ドレーンボルトの位置を変更し、アタッチメントなしでガレージジャッキが使用できるようサービスホールを拡大(4WD/2WDハイライダー)。また6MT車はギヤオイルの交換を不要にするなどメンテナンスフリー化も進めている。
アクセサリーはプロテクター類からドレスアップ用まで幅広く設定。プロテクション機能を持たせながらスタイリッシュさを演出するスポーツバーをはじめ、三菱自動車らしさを主張するグリルエンブレム、フェンダーアーチモールディング、サイドドアガーニッシュで強固なイメージを強調。またピックアップトラックには欠かせないベッドライナーも用意した。