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新型『トライトン』で連覇へ、チーム三菱ラリーアートがアジアクロスカントリーラリー2023に向け意気込み
チーム三菱ラリーアートは8月13日にタイで開幕する「アジアクロスカントリーラリー2023」を前に記者会見を開き、増岡浩総監督とドライバーの田口勝彦選手が2連覇への意気込みを語った。
同ラリーは、タイとラオスを舞台に山岳部や密林地帯、川渡りなど全長2000kmほどのコースで争われ、走破性と耐久性が要求される。
チーム三菱ラリーアートは昨年、初参戦で見事に優勝。今年は新型『トライトン』を投入し、3台体制で連覇を狙う。昨年は東南アジア出身のドライバーで臨んだが、今回はトライトンの日本発売に合わせて、ドライバー・田口勝彦選手、コ・ドライバー・保井隆宏選手の日本人コンビも起用した。
新型トライトンは、トレッドが50mm広がり、走行安定性やハンドリングが向上。フロントサスペンションの変更でジオメトリーも良くなったという。また、ラリー用車両はハイドロバンプストッパーを備え、サスペンションを見直すことで、悪路での走破性も高めた。
タイヤについては、前年度と同じく横浜ゴムの「ジオランダー M/T G003」だが、サイズを265/70R17から235/80R17に変更。マッドな路面での登坂性能を重視して選択した。
増岡総監督は、「新型トライトンは、フレームからすべて新しいものとなった。モノコックを設計できても、シャシーを設計できる人は少なく、技術の継承という意味も込めて、イチから作ったクルマ」と説明し、「旋回性能や高速走行性能など、どこをとっても2ランクくらいアップした印象」と語った。
また、参戦を前に、十勝で600km、タイで1500kmのテストを行う中で、重大トラブルが1度も起きなかった、とトライトンの信頼性についてのエピソードを紹介。それぞれのドライバーやチームの成長ぶりについても話し、選手たちの活躍に期待を寄せた。
田口選手は、「強力なパワーを持つライバル車に対して、加速力や車両の軽さ、ハンドリングの良さでカバーし、勝利を目指したい」と抱負。新型トライトンの印象については、「低速コーナーが多く、道の悪いコースでも非常に走りやすい。限界性能を見極めるため、敢えて負荷をかけてみても全く壊れなかった」と述べた。
今回、クロスカントリーラリーに初挑戦するという点について田口選手は、「車の軽さと重心に違いはあり、多少のアジャストは必要だが、大きな違和感はなく走れている」と手応えをうかがわせた。前日までコースが分からないクロスカントリーラリーならではのルールにも、視野を広く持ち、コース全体を把握できるように取り組んでいるといい、死角は無いようだ。
会見ではこのほか、ラリーの伴走車に実績ある三菱『デリカ D:5』を4台投入することも明らかに。サポート体制も万全に整え、2年連続のアジア制覇を狙う。