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マセラティ『MC20』、レーシングカー「GT2」は621馬力…2024年の欧州GT選手権フル参戦へ
マセラティ(Maserati)は6月30日、新型スーパーカー『MC20』をベースにしたレーシングカー、マセラティ「GT2」をベルギーで開催されたスパ24時間レースで初公開した。
◆MC20譲りのV6ツインターボ搭載
マセラティGT2は、クラス最高のスペックを備えたMC20の公道モデルをベースとしたレーシングカーだ。MC20は、開発の初期段階から、モータースポーツへの参戦を前提に設計されていた。マセラティはモータースポーツに参戦する顧客とチームに、GT2を販売する予定だ。
GT2のミッドシップには、3.0リットルV型6気筒ガソリンツインターボエンジンを搭載する。「ネットゥーノ」(Nettuno、ネプチューン)と命名されたMC20譲りのこのエンジンは、GT2の場合、最大出力621hpを発生する。
マセラティGT2は、2023年シーズン終盤の「ファナテックGTヨーロッパシリーズ」で実戦デビューし、2024年シーズンにフル参戦する予定だ。
◆セミバーチャル・ステアリングアクシスを備えたサスペンション
マセラティのGT選手権への復帰は、2004年から2010年にわたるFIA GT選手権における『MC12』の複数のタイトルという輝かしい実績を受け継ぐものだ。これからのマセラティ新時代の幕開けへの懸け橋になるという。
マセラティのモータースポーツ部門の「マセラティ・コルセ」が手がけたMC12は、スパ・フランコルシャン24時間レースにおいて、2005年、2006年、2008年に3回優勝するなど、レーシングヒストリーに刻まれた輝かしい実績をもたらした。再びGT2がマセラティブランドの新時代を牽引していく。
GT2には、セミバーチャル・ステアリングアクシスを備えたダブルウィッシュボーンサスペンションや、カーボンファイバー製モノコックを採用している。
◆マルチアジャスタブルの大型リアウィング
GT2は、FIA(国際自動車連盟)のレースセーフティ要件に準拠している。FIAホモロゲーションの120リットルのFT3燃料タンク、FIA仕様の消火器を搭載する。シャシーは、軽量なカーボンファイバー製センターモノコック。FIA公認ロールケージや、3/4オンボードニューマチックジャッキを採用する。
トランスミッションは、パドルシフト付きの6速2WDシーケンシャルレーシングギアボックス。レーシングクラッチとメカニカルリミテッドスリップセルフロッキングデフを組み合わせる。
GT2のボディには、エアロダイナミクス性能を高めるレーシングエアロパーツが追加された。マルチアジャスタブルの大型リアウィングが、強力なダウンフォースを生み出す。LEDフロントライト、FIA公認のレインライト、レキサン製フロント&サイドウィンドウも装備している。
◆レースに必要なアイテムだけを装備したインテリア
インテリアは、レーシングペダルとステアリングコラムを調整式とした。6点式レーシングシートベルト、カーボンファイバー製マルチファンクションステアリングホイール、データ収集システム、アジャスタブルレーシングABSとトラクションコントロールを装備した。
オプションで、リアカメラディスプレイ、動画撮影用カメラ、ドライビング・パフォーマンス・オプティマイゼーション・ディスプレイ、タイヤ空気圧監視システムを装着できる。
ブレーキは、レーシングキャリパーとベンチレーテッドレーシングブレーキ、特注のブレーキクーリングで強化された。足元には、セントラルロック式の特注の18インチ鍛造アルミホイールを装備する。スリックタイヤを履く。サスペンションは、セミバーチャル・ダブルウィッシュボーン(ステアリングアクシス)、アジャスタブル式レーシングダンパー、アジャスタブル式フロント&リアアンチロールバーを採用している。