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ベントレー『スピードシックス』12台を復刻生産へ、試験車両「カーゼロ」公開…グッドウッド2023
ベントレー(Bentley)は7月13日、復刻生産車の『スピードシックス・コンティニュエーション・シリーズ』の12台の生産に先駆けて、各種試験を行う車両「カーゼロ」を「グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピード2023」で初公開した。
◆オリジナルモデルは1920年代にルマン24時間レースを2度制覇
同車は、ベントレーの名車を復刻生産する「コンティニュエーション・シリーズ」の第2弾だ。オリジナルの『スピードシックス』は1929年と1930年に、ルマン24時間レースを制している。
スピード・シックス・コンティニュエーション・シリーズは、英国クルーの「マリナー」の工房において、1930年にルマン24時間レースに参戦したスピードシックスの仕様を忠実に受け継いだ12台を、手作業で製作する予定だ。
最初の顧客向け車両は、10月から製造が開始される。12台の顧客向け車両は、約10か月をかけて製造され、2025年末までに完成する予定だ。
◆実際の使用条件での耐久性とサーキットテストを実施予定
スピードシックスのカーゼロは、実際の使用条件での耐久性とサーキットでのテストで構成される開発プログラムに使用された後、ベントレー本社がすでに販売済みとなっている12台の顧客向け車両の製造に先立ち、保有する予定だ。
レプリカ以上の存在を目指すコンティニュエーションでは、このシリーズのインスピレーションとなったオリジナル車両と同じ設計、同じ工程で製造される。スピードシックスは、ベントレーのオーダーメイド&コーチビルド部門のマリナーが手がける戦前車のコンティニュエーション・シリーズとしては、『ブロワー』コンティニュエーション・シリーズに続く2番目のモデルになる。
カーゼロが完成したことで、実際の使用を想定した耐久テストプログラムが開始される。このテストプログラムは、8000kmのサーキット走行で、3万5000kmの実走行をシュミレートできるように設計されている。徐々にテスト時間と速度を上げていくインターバル方式の試験によって、最も厳しい条件下での機能性と耐久性がチェックされ、将来の顧客向け車両に対する信頼が得られるという。
◆レース仕様の6気筒ガソリンエンジンは最大出力205hp
スピードシックスの仕様が正確で正統であることを保証するため、とくに1930年のルマン 24時間レースに出場したオリジナルカーの仕様とセットアップに焦点を当て、広範な調査が行われた。可能な限り多くのオリジナル図面を使用し、その80%はWO ベントレー・メモリアルファウンデーションを通じて入手した。図面には、ベントレーヘリテージコレクションに収蔵されている1930年のスピードシックスや、オールドナンバー3として知られる1930年のルマン出場車両から入手したデータとともに、1929年と1930年のレースの変更点を詳細に記したオリジナルのメカニックノートも反映されている。
レース仕様の6気筒ガソリンエンジンの開発には、600を超える新しい部品が必要とされた。最初のダイノテストでは、ピーク時の出力が205hpと、1930年にレースチューニングされたオリジナルエンジンとの誤差が5hp以内であることが示された。
ブロワーのコンティニュエーション・シリーズで使用されている素材、とくにトリム素材の多くはスピードシックスにも利用されている。マリナーは、当時のパーソンズの5色の外装色を再現するために、ハンプシャー州ボーリューの国立自動車博物館のアーカイブを再訪した。スピードシックスのカーゼロの車体はパーソンズ ネーピアグリーンで仕上げられ、インテリアはタンレザーを組み合わせた。
◆10か月をかけて製作された「カーゼロ」
スピードシックスのカーゼロは、熟練したマリナーの職人やスペシャリストのチームによって、この10か月の間に製作された。英国クルーのベントレーのファクトリー内のマリナーのワークショップにおいて、組み立てからトリミングまで行われた。
今後6か月間にわたり、顧客はパーソナルコミッショニングセッションで、さらに詳細な仕様についての打ち合せを行う。スピードシックスのファクトリーワークスとして知られる2台目の開発車両は、ひとりひとりの顧客のニーズに合わせて車両を製作するパーソナルフィッティングサービスのために使われる。
スピードシックスのカーゼロのテストプログラムは、ブロワーのカーゼロと同等のものになる。実走行距離の蓄積と2回のレースシミュレーションが行われる予定、としている。