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ベントレー『ベンテイガ』がヒルクライムで新記録、トレーラー牽引で…グッドウッド2023
ベントレー(Bentley)は7月13日、「グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピード2023」のヒルクライムにおいて、SUV『ベンテイガEWB』がトレーラー牽引での最速タイムを記録した、と発表した。
◆2.5トンの藁を積載したトレーラーを牽引
これは、ベントレーの再生可能燃料を使ったデモンストレーションだ。2.5 トンの藁を積載した「アイフォー・ウィリアムズ」のトレーラーを牽引したベンテイガEWBは、グッドウッド名物のヒルクライム(全長約1.8km)を1分21秒で駆け抜けた。
非公式でありながらも、1分21秒を記録したこの走行は、トレーラー牽引での最速タイムというグッドウッドの新記録を樹立しただけではなく、農業廃棄物の藁を原料とする第2世代の再生可能燃料を使用して行われた。ベントレーの持続可能な燃料への継続的な取り組みの一環として、グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピード2023のヒルクライムで走行するすべての最新型ベントレーは、再生可能燃料を使用した。これはウェル・トゥ・ホイールベースで85%のCO2排出量削減を意味している。
安全上の理由から、この走行はグッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードの開幕に先駆けて、準備期間中に行われた。そのため公式の記録ではないという。
◆2.5トンの藁から全ベントレーが走行可能な約1770km分の燃料を作り出せる
グッドウッドの丘の頂上まで運ばれた2.5トンの藁は、ベンテイガEWBだけでなく、すべてのベントレーが改造なしで走行できる約1770km分の燃料を作り出すのに充分な量だ。この第2世代バイオ燃料は、ガソリンの世界標準規格「EN228」に適合しているため、通常の燃料と簡単に置き換えることができる。
アイフォー・ウィリアムズのトレーラーは、藁を固定するためのフレームをボルトで固定し、タイヤの空気圧を上げる程度で、走行に必要な改造は最小限とした。車両とトレーラーの安定性と性能は、アングルシー・サーキットとMIRAの試験場において、3回にわたってテストされた。
農耕地で栽培された食用作物を原料とする第1世代のバイオ燃料とは異なり、第2世代のバイオ燃料は、農林業廃棄物や食品産業副産物などの廃棄物を利用する。製造工程では、廃棄物のバイオマスが発酵によって分解され、エタノールが生成される。その後、エタノールを脱水するとエチレンに変換され、このエチレンはオリゴマー化の過程を経て、ガソリンに変換される。製造された燃料は100%再生可能素材由来で、従来のガソリンと比較してCO2排出量を85%削減できると推定されている。
◆最大出力550psの4.0リットルV8ツインターボ搭載
ベンテイガEWBには、 4.0リットルV型8気筒ガソリンツインターボエンジンが搭載される。最大出力は550ps、最大トルクは78.5kgmを引き出し、0~100km/h加速4.6秒、最高速290km/hの性能を発揮する。
48Vの電動式アクティブロールコントロールシステムの「ベントレーダイナミックライド」が標準装備される。ベントレーダイナミックライドは、0.3秒で最大1300Nmのトルクを発生して、コーナリング時のロールを抑制し、タイヤの接地性を高め、クラストップのキャビン安定性と快適な乗り心地、優れた操縦性をもたらすという。
「エレクトロニックオールホイールステアリング」も導入した。高速走行時は、ドライバーが操舵する前輪の動きに合わせ、システムが後輪の進行方向を微調整し、高速安定性を確保する。低速走行時には、エレクトロニックオールホイールステアリングによって、ホイールベースの短縮効果が生まれ、回転径が小さくなって市街地走行での敏捷性が向上。低速時は後輪が前輪と逆方向に操舵され、回転径が7%小さくなる、としている。