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マクラーレンのサーキット専用車『ソーラス GT』、840馬力V10搭載…グッドウッド2023出展予定

  • 《photo by McLaren Automotive》
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マクラーレンオートモーティブは6月29日、サーキット専用のスーパーカー、マクラーレン『ソーラスGT』(McLaren Solus GT)を7月13日、英国で開幕する「グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピード2023」に出展すると発表した。

同車は、ゲームソフト「グランツーリスモSPORT」に収録されているバーチャルコンセプトカーを実車化したもの。サーキット専用モデルとして、25台が限定生産される予定で、すでに完売している。

◆0~100km/h加速2.5秒で最高速は320km/h以上
ソーラスGTの5.2リットルV型10気筒ガソリン自然吸気エンジンは、最大出力840ps、最大トルク66.3kgmを引き出す。少量生産の削り出しコンポーネントを使用し、1万rpmを超えて回る高回転志向のエンジンだ。エンジンのレスポンスを強化するため、サーキット走行以外には不向きな各気筒独立のバレル式スロットルを採用した。また、完全なギア駆動とし、カムシャフトや補機類を駆動するチェーン、ベルトをなくしている。

マクラーレンの量産車としては初めて、エンジンがシャシーの一部を構成している。これは、レーシングカーとしては一般的な手法で、カーボンファイバー製モノコックの後方に、追加のシャシーストラクチャーやサブフレームが不要になるため、軽量化にとって最適という。

7速シーケンシャルギアボックスを組み合わせる。鋳造部とケースが組み合わされた専用設計で、ケースはアルミとマグネシウム製パネルで構成された。これをエンジン後方に搭載し、リアサスペンションはギアボックスケースに取り付けられる。その内部は、ストレートカットギアで、これをカーボン製多板クラッチでエンゲージした。ソフトウェアが制御する完全自動システムのため、ドライバーのクラッチ操作は不要。ピットレーンから発進する際に有効という。車重は1000kg以下で、発生するダウンフォースは1200kg以上。0~100km/h加速の目標タイムは2.5秒、最高速は320km/h以上だ。

◆ジェット戦闘機を思わせるスライド式キャノピー
ソーラスGTには、ジェット戦闘機を思わせるスライド式キャノピーを採用した。コクピットキャノピーが前方へスライドし、現れた開口部から乗り込む。マクラーレンによると、ジェット戦闘機に搭乗する感覚という。

タイヤは空力的な形状のポッドで覆われ、サスペンションアームの先に位置する。大型のフロントスプリッターで取り込んだ空気は、グラウンドエフェクトトンネルを通過して、フルワイドのディフューザーから排出される。インテークはコクピット上に配置し、ロールフープのカバーと一体化した。冷たい空気をエンジンに供給するとともに、魅力的な吸気音を追求する。サイドポッドにラジエーターを内蔵したのも、レーシングカーにインスピレーションを得ているという。

ダウンフォース得る鍵となっているのが、ツインエレメントの固定式リアウィングだ。ダウンフォースとドラッグの比率も最適化され、直線でのパフォーマンスが押し上げられるとともに、コーナリング能力も高まっている、と自負する。

◆シングルシートを室内の中央にレイアウト
シングルシートを中央に配したコクピットを採用する。ステアリングホイールは、F1マシンにインスピレーションを得て、ディスプレイと操作系をステアリングホイールに一体化した。ステアリングホイールの向こう側は、ガラスで覆い、ヘイロー型コクピット保護装置が組み込まれている。そこに設置されたリアビューディスプレイには、ロールフープ内の広角カメラからの映像が表示される。ドライビングポジションが中央のため、180度を見渡せる左右対称の視界が開けるという。

ドライビングシートはオーナーの体型に合わせて型取りし、FIA認可のレーシングスーツ、ヘルメット、HANS(ヘッド・アンド・ネック・サポート)を、各オーナーに合わせて特注する。

シートポジションは、固定されている。25人のオーナーは、モータースポーツでおなじみの「シートフィッティング(シート合わせ)」を行う。ペダルボックスの位置を調整できる点もレーシングカーと同様。座った状態で操作できるリモートコントロールシステムが備わる、としている。