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VW『ID.7』、ストリームデザインが航続700kmに貢献…新型EVセダン
フォルクスワーゲン(Volkswagen)は6月14日、新世代EV「ID.」ファミリー初のセダンの『ID.7』に、航続を延ばすエアロダイナミクス技術を採用した、と発表した。
◆前面空気抵抗を示すCd値は0.23
ID.7のフォルムは、フル電動モデルファミリーのID.のデザイン言語に従ったものだ。このセダンの特長は、エネルギー消費の削減と航続の延長に貢献するエアロダイナミックなフロントセクションとルーフにあるという。前面空気抵抗を示すCd値は0.23とした。
フロントエンドに配置されたエアインテークは、エアインテークを通って流れる空気を車両の側面から後方へと導く効果を発揮する。それらはエアカーテンを形成し、車両の側面の空気の流れを穏やかにする。ルーフは後方に向かって傾斜しており、優れた空気抵抗係数を可能にした。ID.7の1回の充電での航続は、最大で700km(WLTPサイクル)に到達する。ストリームデザインが、航続700kmに貢献しているという。
他のID.モデル同様に、ID.7はフォルクスワーゲングループのEV向けモジュラー車台「MEB」をベースにしている。短いオーバーハングと2970mmの長いホイールベースを備えたMEBの利点は、インテリアにもメリットをもたらす。ID.7では、これがゆとりある室内空間をそなえた上級セダンの特長につながっているという。
◆15インチスクリーンや「スマート・エアベント」
ID.7には、新しいディスプレイコンセプトを導入する。このディスプレイコンセプトは、AR(拡張現実)ヘッドアップディスプレイ、15インチ(38cm)のスクリーン、インフォテインメントシステムに組み込まれた新しいエアコンコントロール、照明付きタッチスライダーが特徴になる。
新設計の「スマート・エアベント」を備えた新世代のスマートエアコンシステムは、多くの機能を可能にする。ID.7は、このようなインテリジェントな制御システムを備えた最初のフォルクスワーゲン車になる。エアコンのコントロール機能は、新開発の15インチインフォテインメントディスプレイに表示される。
エアコンのコントロール機能は、ディスプレイに常時表示されており、指でタップするだけで有効にできる。エアコンメニューを使用して、すべてのスマート・エアベントをデジタル制御することが可能だ。空調の強さと方向を直感的に調整できる。温度は、照明付きのタッチスライダーでコントロールする。
◆ドライバーが車両に乗り込む前に空調を作動
また、キーに基づいてドライバーが近づいていることを検出し、ドライバーが車両に乗り込む前に、夏の暑い日には車内を冷やし始め、寒い日には車内を暖めることができる。スマート・エアベントが空気の流れをコントロールし、ダイナミックに動くことで広範囲にできるだけ早く空気を分配する。
車内に乗員がいる場合、空気を直接体に向けたり、間接的に車内を換気したりできる。これらの機能は、新しい大型ディスプレイでいつでも見ることができ、ユーザーごとに個別に保存することができる。音声コマンドを使用して、特別なリクエストを有効にすることも可能。ユーザーが、「ハロー、フォルクスワーゲン、手が冷たい!」と言うと、ステアリングヒーター機能を作動して応答し、同時に約5分間、暖かい空気が手に向けられる。
自動コントロール機能が作動すると、スマートシステムは天候に反応する。たとえば、フロントガラスのセンサーは、外気温度が高く、太陽光線が強い時、太陽光の入射角を検出する。太陽の光が車両の片側に強く差し込んでいる場合、室内のより暖かい部分に合わせて、空調を調整してくれる。
◆モーターは最大出力286ps
ID.7には、新開発のEVパワートレインを搭載する。このEVパワートレインは、「APP550」と呼ばれ、後輪駆動車に適合する。ID.7のモーターは、最大出力286psを発生する。このモーターは、ID.ファミリーの中で最もパワフル、としている。