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マツダファンならわかる「55」の意味、ロータリー搭載『MX-30』がルマンに登場!
マツダは6月6日、ルマン24時間レースに合わせて開催したテーマ展示「Japan. Endless Discovery.」の中で、ロータリーエンジンを搭載するPHEV『MX-30 e-SKYACTIV R-EV(欧州仕様)』を参考展示した。
同展示は日本政府観光局、トヨタ自動車/TOYOTA GAZOO Racingとの共同展示となっており、1991年のルマンにおいて日本車として初めて総合優勝したマツダと、現在日本の自動車メーカーとして唯一ルマンに参戦し5連覇中のトヨタが、100周年を迎えたルマンへの感謝を込めて開催。
展示スペースでは、電動化技術や水素エネルギー、カーボンニュートラル燃料の活用など、多様なカーボンニュートラル技術に挑戦する両社のモータースポーツ活動を紹介。MX-30 e-SKYACTIV R-EVは、マツダ最新の環境技術を採用したクルマとして展示された。
◆787Bに敬意を評したロータリーMX-30
MX-30 e-SKYACTIV R-EVは今年4月、日本では「オートモビルカウンシル2023」の中で初公開されている。ルマンに登場した同車は特別仕様の「エディションR」をベースに、展示テーマに倣ってスポーティな加飾が施された「MAZDA SPIRIT RACING」仕様となっており、ヘッドライトやフェンダー、ドアパネルにマツダらしいレッドのアクセントが散りばめられている。ホイールがブラック仕上げとなっているのもスポーティさを際立たせている。
またフロントフェンダーにはロータリーをあしらったエンブレムとともに、1991年、ルマンでの輝かしい栄光を勝ち取った「マツダ787B」のゼッケンナンバーにちなんだ「55」の数字が刻まれていた。マツダファン、ロータリーファンにとっては心憎い演出と言えるだろう。
◆新開発の830ccシングルローターエンジン搭載
MX-30 e-SKYACTIV R-EVは、BEVのMX-30をベースに航続距離を延長するべく発電用エンジンとしてロータリーエンジンを搭載するPHEVモデル。軽量コンパクトなロータリーエンジンは、重くなりがちなBEVにとっては最適とも言われ、17.8kWのリチウムイオン電池と50リットルの燃料タンクを搭載しながらも、妥協のない走りや室内空間を確保しつつBEVモデルと同様の最高速度140km/hを実現した。
搭載されるロータリーエンジンは、最高出力55kW(74ps)/4700rpmの830cc、新開発シングルローターエンジンとなっている。
観音開きドアの採用や、従来の魂動デザインとは一線を画す内外装など、マツダのラインアップの中でも異彩を放つMX-30だが、販売面では苦戦している。ロータリーエンジンを搭載するこのMX-30 e-SKYACTIV R-EVが起爆剤となるか、注目だ。日本での発売時期は未定だが、ロータリーファンは座して待つべし。