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【フィアット ドブロ】実用志向のシンプルなインテリアと広大なラゲッジスペース

  • 《写真撮影 諸星陽一》
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フィアットから発売された新型ミニバン『ドブロ』。シトロエン『ベルランゴ』、プジョー『リフター』の兄弟車である同車のインテリアについて解説する。

ドブロには標準ボディとなるドブロとロングボディとなる『ドブロ・マキシ』がある。ドブロは全長4405mmのモデルでフロントに2名、リヤに3名の2列シート5名定員モデル。対してドブロ・マキシは全長を365mm伸ばし4770mmとしたロングボディでフロントに2名、セカンドに3名、サードに2名の3列シート7名定員モデルとなる。

◆後部のシートは全て独立、サードシートは取り外し式
2列目シートは3席がそれぞれ独立して、クッションが斜め前方に沈み込みそこにシートバックが押し込まれるダイブダウンの前倒しが可能。サードシートは左右それぞれ別に脱着が可能。1脚の重量は14kgである。外したシートはリビングに置いても安定するように設計されているが、背もたれに体重を掛けると後ろに倒れてしまうバランスである。

欧州や北米ではこのようにシートを脱着できる仕様が多く存在する。これは文化の違いで、欧米のように自宅駐車場にガレージがあるような構造ならば、シートを外して荷物の搭載量を増やすことが容易である。また、日本家屋のように靴を脱いで入室するのではなく靴のまま入室するという習慣も、シート脱着式をよしとすることにつながるのだろう。いずれにしても、集合住宅でのシート脱着は非現実的、戸建ての場合は露天やカーポーチがメインとなる我が国ではシートが脱着できることのメリットはあまり大きくない。

◆ラゲッジルーム容量は最大で2693リットル
2列シートのドブロの場合、定員乗車状態でリヤウインドウ下端までのラゲッジルーム容量は597リットル。リヤシートをダイブダウンさせ、ルーフまで使う際のラゲッジルーム容量は2126リットルとなる。

3列シートのドブロ・マキシはサードシートを取り外し2列状態としたときのリヤウインドウ下端までのラゲッジルーム容量は850リットル。セカンドシートをダイブダウンさせルーフまで使う際のラゲッジルーム容量は2693リットルとなる。また助手席もダイブダウンが可能で、長尺物の搭載も行いやすい。ドブロの最大荷室長は2700mm、ドブロ・マキシは3060mmとなっている。

◆インテリアは控えめかつ実用的、収納スペースも豊富
シート地はグレーのファブリックのみの設定。ドアトリムなどは樹脂製でファブリックを貼るようなこともなく、日本車に比べるとシンプルではあるが、それがチープなイメージとはなっておらず、コマーシャルビークルらしいメンテしやすい設計と感じる部分でもある。

インパネはT字型デザイン。センターコンソールにはダイヤル式ATセレクターを装備。その下にはマニュアルモードを選ぶためのスイッチが配置される。燃費向上のためのエコモードスイッチはダイヤル式ATセレクターの左上となる。

コンソールセンター部は上から8インチのタッチスクリーン、エアコン吹き出し口&ハザードスイッチ&センターロックスイッチ、エアコン操作系となる。オーディオは6スピーカーのAM/FMラジオで、USBとBluetoothによる接続が可能、AppleCarPlayとAndroid Autoに対応している。

ステアリングは革巻きで、ステアリングスポークにはオーディオコントロール系を装備。ACCおよびスピードリミッターのコントローラーはステアリングコラム左側のレバーに装備となる。エアコンは左右独立で温度調整が可能、リヤにも吹き出し口が装備され、リヤの風量調整も可能。

前席まわりの収納は豊富。ダッシュパネルではメーターカバーの上と助手席前にリッド付きのボックスを用意。モニター背面、助手席正面、センターコンソール最上部にはオープンスペースを確保。センターコンソールそのものは、シャッター状のカバーが付けられたボックスを用意。ドアポケットは大小が用意される。また頭上にはかなり多くのものが入れられるオープンタイプのボックスが備え付けられている。

そのほかの装備では、1列目シート背面にはテーブルを設置。2列目乗員がつかえるようになっている。電源関係では12VのアクセサリーソケットのほかにUSBソケットも設定。ドブロはハードタイプのトノボードが用意され、荷物を上下2段に分けて搭載可能。ドブロ・マキシはソフトタイプのロールトノカバーが設定される。パワーウインドウは前後ともにワンタッチ機構付きだが、シートやスライドドアにパワー機構は装備しない。